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論文記事:医師調査の届出率の推移 202006-06 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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第67巻第6号 2020年6月

医師調査の届出率の推移

-2002年から2016年の個票データを用いた推計-
石川 雅俊(イシカワ マサトシ)

目的 日本における医師調査は,厚生労働省によって二年に一回,すべての医師を対象として実施されているが,届け出を行わない医師が一定程度存在することが以前から指摘されてきた。先行研究によれば,届出率は約90%と推計されているが,近年の研究はない。本研究では,2002年から2016年の医師・歯科医師・薬剤師調査(以下,三師調査)の個票データを用いて生存率を補正した届出率を算出し,医師調査の届け出の現状について明らかにし,さらに,届出率を上げるための政策提言を行う。

方法 2002年から2016年の三師調査の個票を加工したデータを厚生労働省の許可を得て入手した。2002年から2016年までの医籍登録年ごとの届出数,医籍登録者数のデータを用いて,生存率を補正しない届出率の推移を推計した。さらに,2016年の生存率を補正した届出率を推計した。

結果 生存率を補正しない届出率は,2014年89.4%と上昇傾向にあった。医籍登録25年以上では,登録年数が長いほど,届出率は低くなる傾向にあり,医籍登録40~44年の届出率は80%を下回っていた。一方,医籍登録4年以下の医師の届出率は,2016年は95%を超える水準まで上昇傾向にあった。男女差をみると,医籍登録10年以上では女性医師の届出率が低くなっており,医籍登録15~19年で80%を下回っていた。生存率を補正した届出率は2016年で90.2%だった。

結論 女性医師は出産や育児の影響,高齢医師は退職や死亡の影響で,届出率が低下していると考えられる。届出率を向上させる施策として,医師データベースの構築,マスメディア等を活用した広報,未届けに対する罰則適用の厳格化等が考えられる。三師調査は,医療政策の適切な遂行のために重要な調査であり,届出率向上に向けた施策を検討し,適切に実施していく必要がある。

キーワード 届出率,医師調査,縦断研究,医籍登録,医療政策

 

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