介護保険3施設における施設内医療処置の状況

−公表統計データを用いた検討−

 

タケザコ ヤヨイ タミヤ ナナコ カジイ エイジ

竹迫 弥生 田宮 菜奈子 梶井 英治

 

目的 介護老人福祉施設,介護老人保健施設,介護療養型医療施設の介護保険3施設内で医療処置を受けている者の在所者全体に対する割合を医療処置の種類別に明らかにする。

方法 厚生労働省が2001年に行った全国調査の公表データをもとに,施設種別ごと,要介護度別に,介護保険3施設内で行われた医療処置の状況について比較検討した。

結果 医療処置を受けている者の在所者全体に対する割合は,介護老人福祉施設と介護老人保健施設で約2割,介護療養型医療施設で約4割であった。3施設ともに,要介護1〜4の在所者では,医療処置を受ける者の割合は全体の3割以下であり,処置の内容としては,疼痛管理,モニター測定,点滴,膀胱カテーテルなどが高かった。一方,要介護5の在所者では,介護老人福祉施設と介護老人保健施設で3割,介護療養型医療施設で6割の者が医療処置を受けており,処置の内容としては,経管栄養と喀痰吸引の割合が高かった。また,経管栄養と喀痰吸引の処置を受けている者の割合は,在所者全体でも,要介護5の在所者のみでも,介護老人保健施設より介護老人福祉施設の方が高かった。

結論 施設内で何らかの医療処置を受けている在所者の割合は,介護療養型医療施設が介護老人福祉施設および介護老人保健施設の約2倍であった。しかし,経管栄養と喀痰吸引の処置を受けている在所者の割合は,医療職員の少ない介護老人福祉施設の方が介護老人保健施設より高く,今後の課題と考えられた。

キーワード 介護保険施設,ナーシングホーム,医療処置,経管栄養,疼痛,褥瘡