老人福祉施設の経営指標に関連する要因の検討

 

カキモト タカユキ アベ タケル ハギハラ アキヒト

柿本 貴之 安部 猛 萩原 明人

 

目的 老人福祉施設の経営に関しては,財務体質の強化につながる経営手法を見出すことが喫緊の課題である。さらに,適正な経営状態を保持するための要因を特定することも必要である。

方法 本研究では,A県内のそのうち老人福祉施設(73施設)を対象に,自記式質問票を用いた調査を行い,施設の経営状況に関連する要因を検討した。

結果 73施設中52施設から回答が得られた(回収率71%)。対象施設の施設入所利用率は8割を超え(84%),事業活動収入に占める人件費の割合は6割弱で(57%),従業者1人当たり事業活動収入は3.70から7.78百万円であった。施設の経営状態に関連する要因を特定するため,事業活動収入経常収支差額比率を目的変数とする重回帰分析を行ったところ,唯一,人件費率が有意な説明変数であった(p<0.01)。

結論 施設の経営状態は人件費に大きく依存しており,施設の入所利用率や待機率といった他の要因は関係していないことが示唆された。

キーワード 老人福祉施設,経営,事業活動収入