後期高齢者における地域包括支援センターの利用と関連要因の検証

−小田原市お達者チェックからの分析−

 

アイハラ ヨウコ ミナイ ジュンコ シマノウチ セツ

相原 洋子 薬袋 淳子 島内 節

 

目的 平成17年度の介護保険法改正に伴い,介護予防支援のために地域包括支援センター(包括センター)が,市町村に設置された。本調査では,地域の保健福祉の支援対象として,見守りが必要な後期高齢者を特定するために実施された「お達者チェック」より,包括センターを利用する高齢者の特性について分析を行った。継続的かつ包括的な保健福祉の支援ネットワークの中核としての機能を担う包括センターの利用者が,どのような特性を持つのかを把握することで,包括センターが行う支援方法についての検討を行う。

方法 平成19年8〜10月に,小田原市在住の後期高齢者全数を対象に実施された,「お達者チェック」の有効回答者16,110人を対象にした。包括センターの相談有無に関連する要因について,男女別に,世帯,社会活動性および不安について検証した。分析は,多重ロジスティック回帰モデルを用い検定を行った。

結果 包括センターに「相談している」と回答した人は,男性413人(6.7%),女性901人(9.8%)であった。相談している人は,相談していない人と比較し,男女とも独居世帯,近所付き合いや趣味・特技がなく,かつ仕事をしていない人であり,身体面および心理的・精神面の不安がある人であった。女性においては,65歳以上家族と同居,相談できる友人・知人がいない,住環境面の不安があることも包括センターへの相談利用に有意に関連していた。

結論 包括センターを利用している後期高齢者の特性として,サポートネットワークが低いこと,身体面および心理・精神面の不安を抱えていることが明らかとなった。後期高齢者の増加に伴い,高齢者の不安に対応した保健・福祉のサービスが適切に利用できるように,包括センターの役割がますます重要となってくることが考えられる。

キーワード 地域包括支援センター,後期高齢者,不安,介護保険