高齢者に対する認知症の情報提供と初期症状への対処行動
マツイ ミホ ニッタ アキコ タグチ カナコ
松井 美帆 新田 章子 田口 幹奈子
目的 認知症に関する情報提供を行い,高齢者の認知症の知識と初期症状における対処行動について明らかにすることを目的とした。
方法 A県内の老人クラブに所属する高齢者184人に質問紙票を配布し,162人(88.0%)から回答を得,そのうち有効回答のみられた154人(83.7%)を対象とした。対象者にはパンフレットを用いて認知症に関する情報提供を行った後,自記式質問紙調査により基本属性,認知症高齢者の介護経験,認知症の知識,認知症のごく初期・初期症状への対処行動,認知症の不安,認知症のイメージについて調査した。
結果 対象者の平均年齢は,72.9±6.4歳,性別は男性が39.6%であった。アルツハイマー型認知症(Dementia of Alzheimer's type; DAT)の知識量の平均点は1.62点と先行研究に比較してわずかに高かった。家族が認知症になった場合の初期症状における対処行動では,「病院を受診する」20.3〜53.6%と先行研究が20%以下であったのに比較して多く,具体的な対処には至らない傾向も3〜4割と少なかった。受診行動に関連する要因として,年齢,性別,認知症の知識や不安,怖い・苦しい・たいせつにされないなどのイメージが挙げられた。
結論 高齢者に対する認知症の情報提供は,初期症状における対処行動に結びつくことから,早期受診へ向けて高齢者に適切な啓発活動を行っていくことが重要である。
キーワード 認知症,高齢者,対処行動,イメージ