家族介護者の抑うつ傾向に影響を及ぼす介護保険サービスの検討
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坪井 章雄
目的 在宅介護家族の介護ストレスによる介護破綻を予防するために,抑うつ傾向の軽減のための有用な在宅サービスの可能性を探る目的で調査を行った。
方法 対象は,茨城県内のすべての在宅介護家族を母集団として層化二段無作為抽出法により標本抽出した。在宅介護家族支援と介入を行っている居宅療養管理指導事業所(以下,事業所)の利用者を対象とし,標本抽出台帳から153施設を無作為抽出し,調査の依頼を行った。介護ストレスの軽減に有用なサービスや問題解決の内容・方法を抽出するために,T:介護者・被介護者属性,U:利用サービス内容,V:問題解決の方法,について調査票を作成し,調査票との関連を検討するために,介護者の測定には標準的うつ評価スケールとして国際的に受け入れられているGDS-15を調査に用いた。
結果 サービス利用者と非利用者間におけるGDS-15の差の検定では,障害の予後や改善の説明やスロープの設置でサービス利用者が非利用者より有意にGDS-15平均点が低かった。問題解決実施者と非実施者間におけるGDS-15の差の検定では,相談者がいる介護者,援助者がいる介護者,趣味がある介護者,および家族に相談している介護者,医師や看護師,PT・OTなどの医療職に相談している介護者,インターネットを用いている介護者では,非実施者より有意にGDS-15平均点が低かった。一方,何もしない介護者は有意にGDS-15平均点が高かった。
結論 抑うつ傾向軽減のためには,被介護者の将来の状況に対する不安が軽減するサービスが有効と考えられた。また,家族が相談者や支援者とすることで抑うつ傾向が軽減することが示されており,主たる介護者と共にそれ以外の家族に対して,在宅介護に対する理解と協力を得る事を目的とした介入の必要性が考えられる。
キーワード 介護家族GDS-15,抑うつ,介護保険サービス,介護破綻