回復期リハビリテーション病棟における
患者の状態の変化に関する研究
「一入院(入院時から退院時まで)」データにおける
「重症度・看護必要度」得点の変化
ツツイ タカコ
筒井 孝子
目的 これまで急性期病院から,回復期リハ病棟に転院してきた患者がどのような状態で,入院し,退院するかについては,十分にデータが示されてこなかった。そこで本研究では,「重症度・看護必要度」および「重症度」基準の調査項目を用い,回復期病棟の患者の入院時および退院時の状態を急性期病院の患者タイプとの比較から明らかにし,さらに,その一入院の変化について分析することを目的とした。
方法 回復期リハビリテーション病棟連絡協議会の会員施設のうち看護師配置の高い21病院51病棟の患者の「重症度・看護必要度」および「重症度」基準の評価項目によるAおよびB得点を収集した。分析は,得点の平均値および標準偏差を示し,また入院時と退院時の得点等の分析に関しては,3段階以上のカテゴリー評価については,Wilcoxonの符号付き順位検定,2段階評価は,McNemar検定を行い,一入院における得点の変化を明らかにした。
結果 回復期リハ病棟の患者は,医療処置はほとんどなかったが,7対1や10対1の急性期病棟より,療養上の看護に手間がかかる患者タイプ4と5の割合が高く,全体の41.4%と示された。また,同一患者における入院時と退院時の一入院の変化については,退院時では入院時より平均得点が2.5点低下しており,患者の7割以上に得点低下がみられた。
結論 本研究結果から,回復期リハ病棟の患者は,医療的な処置がなくなった時点で急性期病棟から転院し,全患者の7割程度が改善して退院していることがわかった。今後は,新たに収集されることになった日常生活機能評価による得点データを用いて,急性期から回復期までの一入院のデータ,さらには,在宅における状態の変動を継続的に調査し,地域におけるリハビリテーションサービスやケア提供の在り方を検討することが課題である。
キーワード 回復期リハビリテーション病棟,看護必要度(nursing care intensity),重症度・看護必要度,日常生活機能評価