タイムスタディで捉えるレジデンシャル・ソーシャルワーク・コードの開発と研究
−介護老人福祉施設における生活相談員と計画担当介護支援専門員の業務分析から−
イシダ ヒロシ スミイ ヒロシ クニサダ ミカ
石田 博嗣 住居 広士 國定 美香
目的 転換期にある施設福祉サービスマネジメントに注目して,そのソーシャルワークの標準化と専門性を明らかにすることを目的に,時間と回数という量的測度から,介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)における生活相談員(以下,相談員)の業務と計画担当介護支援専門員(以下,施設ケアマネ)のソーシャルワーク業務の実態を調査した。
方法 調査は2009年4月から5月に介護老人福祉施設15施設の相談員16人を対象とし,比較対照として施設ケアマネ21人を加え,1分間タイムスタディ調査(自計式)を実施した。そのソーシャルワーク業務分類を,16項目の大分類,106項目の中分類,285項目の小分類のコードに設定できた。今回の調査分析には,大分類と中分類における各業務の「1日当たりの平均累積時間」「1日当たりの平均発生回数」「1回当たりの平均発生時間」を検証した。統計分析は,SPSS 17.0 J for Windowsのソフトを用いて,Spearman順位相関とMann-Whitney順位検定で分析した。
結果 相談員における大分類の1日当たりの平均累積時間では,1位「ケアワーク」169.61±103.88分は全体平均総和の百分率30.5%で最も多く,続いて2位「間接業務」109.00±77.77分(19.6%),3位「チームマネジメント」72.69±68.97分(13.1%)の順であった。相談員の1回当たりの平均発生時間では,1位「アセスメント」59.25±37.45分は全体の平均総和13.6%が最も多く,続いて2位「職員研修」49.38±29.17分(11.4%),3位「契約」31.67±14.04分(7.3%)の順であった。相談員と施設ケアマネの1日当たりの平均累積時間と平均発生回数の有意差の検定をした結果,相談員には,「施設運営管理等(p<0.01)」「地域との連携(p<0.01)」「ニーズの把握(p<0.01)」「スーパービジョン(p<0.01)」「チームマネジメント(p<0.05)」「権利擁護(p<0.05)」に統計的有意差が認められ,施設ケアマネは「ケアワーク(p<0.01)」のみに統計的有意差を認めた。
結論 ソーシャルワークにおける1日当たりの平均累積時間は,業務時間の標準化となるが,その専門性は評価が困難であった。1回当たりの平均発生時間が,1日当たりの平均累積時間より長い業務は,ソーシャルワークの専門性を評価するものと考える。施設内ソーシャルワークとケアマネジメント業務に有意差がみられた業務は,分業による特異性が高いと考える。
キーワード 介護老人福祉施設,1分間タイムスタディ,レジデンシャル・ソーシャルワーク(RSW),RSWコード