中高年を対象とした健康不安感尺度作成と信頼性・妥当性の検討
スズキ ヒロカズ ナガツカ ミワ アライ ヒロカズ ヒライ ケイ
鈴木 宏和 長塚 美和 荒井 弘和 平井 啓
目的 薬局を訪れた中高年を対象としたアンケート調査により,健康不安感尺度を作成して,健康不安と性別,年齢,健康関連QOLとの関連を検討した。
方法 「医療とライフスタイルに関するアンケート調査」として,全国15地域の調剤薬局に訪れた人の中から30歳以上の男女を対象にして無記名の郵送法による横断的質問紙調査を行った。健康不安感尺度に関して最尤法プロマックス回転による探索的因子分析を行った。その後,因子妥当性を確認するため確認的因子分析を行った。また,作成した健康不安尺度を基に,健康不安と性別,年齢,健康関連QOLとの関連を,t検定と相関分析を用いて検討した。
結果 健康不安感尺度について,「身体的健康に対する心配」「重篤な病に対する否定的認知」「健康に対する心気傾向」の3つの因子からなる尺度が作成された。そして,これらの因子は互いに関連しあっていた。また,尺度の因子全体の適合度についてみるとGFI=0.94,CFI=0.93,RMSEA=0.06という結果が得られ,因子妥当性,内的整合性ともに十分な結果を得た。また,健康不安尺度は年齢と正の相関があった。性差は認められなかった。さらに,この健康不安感尺度は健康関連QOLと負の相関があることが確認された。
結論 本研究により,健康不安を多面的に捉えることのできる尺度が開発され,わが国の一般成人の健康不安についての基礎データが得られた。今後,高齢化が進む中で心気症的愁訴を持つ患者は増えるものと予想されるなか,心気症か否かで患者に対する対応を考えるのではなく,健康に対して大きな不安を持った人々に対してどのようにサポートしていくかが今後の課題となる。そのサポートを明らかにしてゆくときに,本研究で開発された尺度は健康不安を多面的に測定する尺度として使用されることが期待できる。
キーワード 健康不安,心気症,主観的健康,中高年