介護保険施設の介護職員における介護時間の評価

−介護支給時間から介護労働時間と非特定介護時間の比較−

 

クニサダ ミカ

國定 美香

 

目的 介護保険施設の介護職員に対して,タイムスタディ調査を実施し,介護時間および介護内容の実態把握を行う。その結果から,介護保険施設の介護職員における介護サービスの評価を介護時間により検討することを目的とする。

方法 介護保険施設の介護職員による自計式タイムスタディ調査を実施した。調査対象は,介護保険施設7施設の介護職員172人および入所者470人である。研究方法は,介護職員が特定された入所者に対して個別に提供した介護時間と定義した「介護支給時間」と,介護職員が介護サービスに従事した介護時間と定義した「介護労働時間」について,介護内容ごとにWilcoxonの符号付き順位検定で統計分析する。さらにそれらの2つの差である個人を特定できない介護時間を「非特定介護時間」として,その介護内容を検討する。

結果 「介護支給時間」と「介護労働時間」の2つについて,Wilcoxonの符号付き順位検定の結果,ケアコード大分類の10項目中における@入浴清潔保持整容更衣,A移動移乗体位変換,B食事,C排泄,D生活自立支援,E医療,F対象者に直接関わらない業務,G機能訓練,H社会生活支援で平均介護時間に有意な差が認められた。「非特定介護時間」の介護内容については,小分類ごとの平均値が多いケア内容の結果から,「非特定間接業務」と「非特定直接業務」の2つで主に構成されていることが明らかとなった。

結論 本研究では,以下の3つのことが明らかになった。1つ目として,「介護支給時間」と「介護労働時間」には,大分類10項目の内9項目の平均介護時間に有意な差が認められた。2つ目として,「非特定介護時間」は,「非特定間接業務」や「非特定直接業務」の2つで主に構成されていた。3つ目として,介護保険施設の介護職員における介護サービスの評価として「介護支給時間」だけでなく,「介護労働時間」と「非特定介護時間」も評価する必要性が求められる。

キーワード 介護時間評価,タイムスタディ調査,介護労働時間,介護支給時間,非特定介護時間