居宅要支援高齢者の健康状態と健康管理の特徴

−前期・後期高齢者別の検討−

 

ハセガワ ナオト サトウ ワカコ サトウ フミコ フナヤマ エミ

長谷川 直人 佐藤 和佳子 佐藤 冨美子 舟山 恵美

オオシマ フミ コンノ ヒデコ サトウ チヅル

大島 扶美 今野 日出子 佐藤 千鶴 山形市健康福祉部介護福祉課

 

目的 要支援および軽度要介護高齢者は急増しており,第3期介護保険改正(平成18年)において要支援高齢者の介護予防を目的に新予防給付が創設された。本研究では,介護度の中重度化予防に資するべく,居宅要支援高齢者の健康状態および健康管理の実態を示すとともに,前期・後期高齢者別の特徴を明らかにすることを目的とする。

方法 山形市に登録されている要介護状態区分が,要支援1・2および経過的要介護である1,732名に対し,郵送法によるアンケート調査を実施した。調査項目は,基本属性(性別,年齢,家族構成,経済状況に対する認識,要介護状態区分,障害高齢者および認知症高齢者の日常生活自立度),健康状態(現病歴,自覚している身体機能の低下と症状,身長,体重,受療頻度,睡眠の満足感,抑うつ症状,主観的健康感),健康管理(食事,水分摂取,運動,眠剤・安定剤の使用,自立への意欲)である。解析では,対象を前期群(75歳未満),後期群(75歳以上)の2群に分類し,各項目についてχ検定を実施した。

結果 アンケート票1,085通(63.1%)が回収され,1,059通(有効回答率97.6%)を解析対象とした。居宅要支援高齢者は,ほぼ全員が何らかの病気で治療を受けており,身体機能の低下や症状を自覚していた。また,約7割がうつ予防の支援が必要と推測され,自分自身を「健康ではない」と捉えていた。一方,約8割が食事や水分摂取に配慮しており,約7割が週に2回以上の運動を実施していた。前期・後期別の比較では,前期群は脳卒中の既往を有する者,手足の不自由さやしゃべりにくさを自覚している者,および肥満の該当者が多く,主観的健康感が低い対象全体の中でもさらに低かった。後期群は,認知症高齢者の日常生活自立度が低く,眼病・心臓病・呼吸器病を有する者,足腰や関節の痛み,もの忘れ,失禁および聞こえにくさを自覚している者が多かった。

結論 居宅要支援高齢者の健康状態を適切にアセスメントし,病気の管理と生活習慣の改善を支援することでより効果的な介護予防につながる可能性が示唆された。特に前期高齢者は生活習慣病予防,後期高齢者は廃用症候群および認知症予防により特化して支援することが必要と考えられる。

キーワード 高齢者,要支援,健康状態,健康管理,介護予防