都道府県別合計特殊出生率,ボランティア活動行動者率,各種ファシリティの関連
―少子化対策に配慮したまちづくりのあり方に関する−考察―
スケトモ ヒロコ カタヤマ カヨコ イナバ ユタカ
助友 裕子 片山 佳代子 稲葉 裕
目的 都道府県別合計特殊出生率,ボランティア活動行動者率,各種ファシリティ数の関連性を検討し,少子化対策に配慮したまちづくりのあり方を検討した。
方法 政府統計資料の中から,合計特殊出生率(2006年),ボランティア活動行動者率(2006年),各種ファシリティ(1999〜2001年)の計28指標を収集した。ファシリティ指標はすべて都道府県別15〜49歳女性人口(2000年)1人当たり数に換算した値を使用した。ファシリティ指標を順位データに変換し,クラスター分析(Ward法)を行い共分散構造分析に用いる潜在変数を検討した。その後,相関分析,共分散構造分析により探索的にモデル化を行った。地域特性の違いの程度を確認するためにそれぞれのファシリティ指標のジニ係数を求めた。
結果 クラスター分析により,ファシリティを「公園」「商業」「医療」「生活」「衛生」「教養娯楽」の6種に分類した。共分散構造分析により,合計特殊出生率にはボランティア活動行動者率,「衛生」「生活」の3変数が正の影響を及ぼし,「教養娯楽」はボランティア活動行動者率を介し,「医療」は「衛生」を介し間接的に合計特殊出生率に影響を及ぼすという因果構造モデルが得られた。
結論 いくつかのファシリティが合計特殊出生率とボランティア活動行動者率に影響を与えている可能性が示された。本研究では,合計特殊出生率を高めるための都市計画や都市開発を視野に入れた健康なまちづくりを意識し,その一助となり得るモデルが得られたと考えている。衛生従事者の活動を通じて,「教養娯楽」「衛生」「生活」「医療」の各種ファシリティ関係者や都市計画関係者との連携を想定した少子化対策が行われることに今後期待したい。
キーワード 都道府県別,合計特殊出生率,ボランティア活動行動者率,ファシリティ,地域格差,まちづくり