基本健診項目からみた死亡に対する集団寄与危険割合(血圧,HbA1cHDLコレステロール)

 

アサクラ ユキヨ シマザキ マミ ヤナセ カオリ タビキ ケイコ ニシ チカコ

朝倉 幸代 島崎 忠美 柳瀬 香織 多比木 佳子 西 直子

ムライ アキコ タキナミ ケンジ クロサワ ユタカ スナガ キョウコ ナルセ ユウチ

村井 明子 瀧波 賢治 黒澤 豊 須永 恭子 成瀬 優知

 

目的 富山市全体の健康状況の把握を健康指標である死亡から捉えることとし,市全体の死亡に影響する要因を明らかにするため,性・年齢階級別集団寄与危険割合を算出した。また,この分析で示された結果とこれまで市で実施してきた保健事業の内容と整合しているかどうかを確認し,今後も同様に保健対策を継続していくことが必要かどうか脳卒中対策事業の基礎情報として検討した。

方法 平成12年度健診受診者のうち4084歳までの38,112人(男性11,357人,女性26,755人)を対象とした。この中から健診結果を有し,平成12年4月1日〜平成1711月末日までに発生した病死2,164人(男性1,276人,女性888人),生存35,882人(男性10,041人,女性25,841人)を分析対象とした。血圧は区分値を設定し5カテゴリーに分けた。HbA1cは5%ごとに5カテゴリー,HDLコレステロール(以下,HDL)は10r/dlごとに5カテゴリーに分けた。各健診項目の死亡に関わるリスク比は,それぞれ年齢4群で性別にCoxの比例ハザードモデルにてハザード比を算出した。各健診項目における性別,年齢階級別の各カテゴリー別構成割合を平成19年9月末日の富山市の4084歳の人口での推計人口を算出した。次に,この推計人口に死亡のリスク比を乗じ,年齢階級ごとのカテゴリー別に推計死亡数を算出し,年齢階級別集団寄与危険割合を算出し,かつ各カテゴリー別にその構成値を示した。

結果 血圧では,男性の4054歳,5564歳の壮年期で集団寄与危険割合はそれぞれ6.5%,13.5%,女性の壮年期,前期高齢者では4.1%,9.9%,11.9%と高値を示した。HbA1cでは,男性の5564歳を除くすべての性・年齢階級で高い集団寄与危険割合を示し,その値は1016%であった。しかし(4.9%以下)の構成値も計で男性4.3%,女性5.5%と正の値を示した。HDLでは,男性の64歳以下を除くすべての性・年齢階級で高い集団寄与危険割合を示し,その値は7〜39%であった。

結論 市全体の死亡を減らすという新たな視点で保健対策について検討した結果,男性の壮年期,女性の壮年期および前期高齢者の高血圧対策,HbA1c高値,HDLコレステロール低値への対策が有効であることが示された。今後も長期的に情報を集約,分析し,市民の健康状態を把握するとともに保健施策の成果を適切に評価し,効果的な保健事業の実施へつなげていくことが重要であると考えられる。

キーワード 健康指標,集団寄与危険割合,保健対策