愛知県における若年認知症の就業,日常生活動作および介護保険利用状況

 

コナガヤ ヨウコ ワタナベ トモユキ

小長谷 陽子 渡邉 智之

 

目的 若年認知症の生活の実態を明らかにするため,愛知県において,医療機関,介護福祉施設,行政関係機関を網羅した調査を行った。

方法 愛知県内の医療機関,介護福祉施設,行政関係機関等に対し,2段階によるアンケート調査を行った。1次調査で若年認知症ありとした施設や機関に,本人の属性,認知症の原因疾患,合併症,家族歴,既往歴,認知症の程度,就労状況,日常生活動作(ADL)能力,認知症の行動と心理症状(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia: BPSD)の有無と内容,介護認定状況,サービス利用状況,障害者手帳・年金受給状況および現在の問題点などからなる調査票を送り回収した。

結果 調査時点で65歳以上の人を含めて,2次調査で重複を調整した後の総数は1,092人で,男性569人(52.1%),女性520人(47.6%),性別無回答3人であった。ADLのうち歩行と食事に関しては,それぞれ全体の42.9%,46.2%と約半数が自立していた。しかし,排泄(30.6%),入浴(20.2%),着脱衣(24.2%)の自立度はこれより低く,日常生活に何らかの介助が必要な人が多かった。就労や社会福祉制度の利用率は必ずしも高くなかった。

結論 若年認知症者の生活は,ADLや介護福祉サービスの利用状況などからは生活が厳しい現状であることが明らかとなった。介護保険の認定は40歳以上の約80%が受けているが,サービスは十分には利用されていない。社会福祉制度の周知や利用の促進を含め,若年認知症に対応する医療・介護福祉関係者や行政担当者の理解が不可欠である。

キーワード 若年認知症,生活実態調査,愛知県,就労状況,ADL,介護保険サービス