要介護認定を受けた認知症高齢者の日常生活自立度の変化と認知症に関連する症状項目の変化

 

トビノ サオリ ニイクラ マリコ シモダ ユウコ トウカイ ナツコ

鳶野 沙織 新鞍 真理子 下田 裕子 東海 奈津子

テラニシ ケイコ ヤマダ カナエ タムラ ヒトミ ヤマグチ エツコ

寺西 敬子 山田 雅奈恵 田村 一美 山口 悦子

ナガモリ ムツミ コウサカ カズコ ナルセ ユウチ

永森 睦美 上坂 かず子 成瀬 優知

 

目的 認知症高齢者の日常生活自立度(以下,認知症自立度)の変化を明らかにすることを目的とした。さらに中核症状や周辺症状といった認知症関連症状項目についてもその変化を明らかにし,これらの症状と認知症高齢者が要介護認定を受けた場所や歩行能力との関連を検討した。

方法 T県X地区において2001年4月1日〜2007年6月30日の期間に新規に要介護認定を受けた第1号被保険者のうち,認知症自立度ランクT−Vと判定された1,717人を対象とした。そして,要介護認定2回目更新時の認知症自立度が改善した者,維持した者,悪化した者の割合を算出した。次にランクT−V別の改善群・維持群・悪化群に分け,認知症関連症状項目ごとに初回と2回目更新時の有所見者の割合を算出し,その割合の差が大きかった関連症状項目を抽出した。さらに割合の差が大きかった関連症状項目のうち,初回認定調査実施場所が「自宅であった者における有所見者の割合」と「自宅外であった者における有所見者の割合」および「歩行可能であった者における有所見者の割合」と「歩行不可能であった者における有所見者の割合」を算出し,それぞれにおいてその割合の差を求めた。

結果 対象の60.7%が認知症自立度を維持し,12.0%が認知症自立度を改善させていた。中核症状やひどい物忘れの有所見者の割合は高く,また2回目更新時の改善や悪化における変化も大きかった。中核症状やひどい物忘れは,必ずしも認定調査実施場所が自宅や歩行可能な場合に有所見者割合が低いという事はなく,場所や歩行能力によって特定の方向性を示す事はなかった。

結論 認知症の中心となる中核症状であっても,大きく症状が改善したり悪化したりする可能性が示唆された。

キーワード 介護保険制度,認知症高齢者の日常生活自立度,認知症の症状