地域における健康危機管理コンピテンシーの
習得レベルに関する研究
−デルファイ法を用いたすべての公衆衛生従事者に求められる職種別・職位別質的調査−
タチバナ トモコ アラタ ヨシヒコ オオハラ トモコ オオクマ カズユキ アンドウ ユウイチ
橘 とも子 荒田 吉彦 大原 智子 大熊 和行 安藤 雄一
オクダ ヒロコ サトウ カヨコ トヨフク ハジメ スズキ アキラ ソネ トモフミ
奥田 博子 佐藤 加代子 豊福 肇 鈴木 晃 曽根 智史
目的 地域における健康危機管理を担うすべての公衆衛生従事者に求められる健康危機管理コンピテンシーの習得レベルを,実務者のコンセンサスを得つつ,職種別・職位別に明らかにする。
方法 デルファイ法による。調査対象は,すべての保健所・地域保健担当部局・地方衛生研究所の管理者および層別抽出職種の職員(744カ所,合計1,899人)。第2回調査集計結果に対してデルファイメンバー16名によるラウンドテーブルディスカッションを行い,最終意見集約を行った。
結果 質問紙調査回答は第1回1,016件(53.5%),第2回756件(対象992件中76.2%)。回答の中央値・最頻値は多くの項目で一致した。両者不一致の習得レベルは,歯科医師・歯科衛生士6項目,薬剤師2項目,管理的立場の事務職2項目,非管理的立場の事務職2項目などにみられた。中央値・最頻値が不一致の項目および事前調査で賛意50%未満の項目を中心とする検討により,すべての職種・職位に対して求められる健康危機管理コンピテンシーの習得すべきレベルが意見集約された。
結論 習得すべき健康危機管理コンピテンシーのレベルは,職種・職位により特徴を有する分布パターンであった。医師の回答には職位「管理的立場の専門職」がバイアス因子となっている可能性が考えられた。本研究の調査結果は,すべての地域における健康危機管理を担う公衆衛生従事者に対して,求められる「健康危機管理コンピテンシーの『習得しておくべきレベル』についてコンセンサスを得つつ意見集約した結果となっている。今後,地域における健康危機管理体制の整備に必要な「人材育成」を,地域の実情に応じて企画・立案・実施・評価していく際に,本研究成果を活用すべきであると思われた。
キーワード 公衆衛生行政職員,健康危機管理コンピテンシー,習得レベル,デルファイ調査,ラウンドテーブルディスカッション,職種