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論文記事:地域高齢者におけるライフスタイルと生活機能・社会的属性要因等との関連 201605-06 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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第63巻第5号 2016年5月

地域高齢者におけるライフスタイルと
生活機能・社会的属性要因等との関連

宮原 洋八(ミヤバラ ヒロヤ) 楠 正和(クス マサカズ) 深堀 辰彦(フカホリ タツヒコ)
古後 晴基(コゴ ハルキ) 小松 洋平(コマツ ヨウヘイ) 大田尾 浩(オオタオ ヒロシ)
久保 温子(クボ アツコ) 上城 憲司(カミジョウ ケンジ) 溝田 勝彦(ミゾタ カツヒコ)

目的 地域高齢者のライフスタイルと,生活機能・社会的属性などの要因との関連を明らかにすることで,サクセスフル・エイジングに対する介入研究の基礎資料とすることを目的とした。

方法 佐賀県3町自治体の呼びかけで参加した65歳以上の女性128人(平均年齢:80.1±7.8歳)を対象とした。ライフスタイルに関する22項目,生活機能に関する13項目を測定した。

結果 ライフスタイル全項目の通過率(「はい」という回答の比率)では,「ボランティア」が26.6%で最も低く,次いで「挑戦」47.7%,「美化活動」52.3%が低かった。反対に通過率が高かったのは,「健康診断」89.1%,「明るく考える」85.9%,「庭いじりなどの軽い運動」85.9%の順であった。調査した項目のうち,家族構成や転倒歴によって分けても,群間にライフスタイル得点に有意差は認められなかった。一方,年齢では,後期高齢群の社会的,心理的ライフスタイル得点が前期高齢群より有意に低い値を示した。ライフスタイル3尺度と老研式指標3尺度の偏相関では,すべての項目間で有意な相関がみられた。

結論 本研究で調査した佐賀のライフスタイル各項目の通過率は,社会的ライフスタイルでは26.6-84.4%,心理的ライフスタイルでは47.7-85.9%,身体的ライフスタイルでは53.9-89.1%であった。また,家族構成や転倒歴によって分けても,群間にライフスタイル得点に有意差は認められなかった。本研究で対象とした高齢者は,教室に自ら参加できる者であったことから比較的元気な高齢者集団と考えられる。従って家族構成や転倒歴による差が認められなかった可能性がある。ライフスタイルを調査することが高齢者の自立性の指標となり,ライフスタイル得点の高い高齢者が,サクセスフル・エイジングの獲得や維持に関連していることが示唆された。

キーワード 地域高齢者,ライフスタイル,生活機能,生活の質,サクセスフル・エイジング,コンピーテンス

 

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