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論文記事:自立高齢者の運動頻度における主観的ウェルビーイングと3年後の自立度との関連 201906-01 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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論文

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第66巻第6号 2019年6月

自立高齢者の運動頻度における主観的ウェルビーイングと
3年後の自立度との関連

児玉 小百合(コダマ サユリ) 栗盛 須雅子(クリモリ スガコ) 山登 一輝(ヤマシロ カズテル)
薬師寺 清幸(ヤクシジ キヨユキ) 星 旦二(ホシ タンジ)

目的 自立した高齢者における3年間の縦断調査により,楽しみ・生きがいの対象として運動に取り組むことは,3年後の自立度低下を抑制するという仮説を検証することを目的とした。

方法 25府県の「明るい長寿社会づくり推進機構」の事業に参加した9,508人を対象に,2013年にアンケート調査を実施し(回収率45.7%),第1回調査回答者のうち第2回以降の調査に協力の意思を示した3,990人を対象に,2016年に同内容の調査を実施した(回収率92.6%)。両調査の継続回答者3,693人から性・年齢不明者(24人),65歳未満者(510人),死亡者(35人),欠損値があった761人を除いた2,363人を分析対象とした。運動を楽しみや生きがいの対象として選択した群のうち,運動頻度の回答が「週2回以下」の群を「楽しみ生きがい・週2回以下(以下,楽生・週2回以下)」とし,「週3回以上」の群を「楽しみ生きがい・週3回以上(以下,楽生・週3回以上)」にカテゴリー化し,それ以外は運動頻度の「週2回以下」と「週3回以上」に分類した(楽しみ生きがい運動頻度)。自立に関連する項目は,できる場合を1点として最高12点で評価した。3年後の自立度平均値11.40点の前後で,対象者を「自立度平均未満」と「自立度平均以上」に分類した。楽しみ生きがい運動頻度との総合的な関連は,3年後の「自立度平均未満」を従属変数としたロジスティック回帰分析により分析した。

結果 調査開始時の運動状況は,「週2回以下」17.9%,「楽生・週2回以下」26.2%,「週3回以上」6.8%,「楽生・週3回以上」49.0%であった。3年後の自立度は,「週2回以下」11.27点と「楽生・週3回以上」11.50点の間に有意な差(P<0.05)が認められた。楽しみ生きがい運動頻度の「週2回以下」をオッズ比(以下,OR)が1となる基準カテゴリーに設定したところ,性・年齢・基本的属性・健康関連要因を調整変数として投入したモデルにおいて,3年後の自立度平均未満と有意に関連した変数は,「楽生・週3回以上」(OR:0.76(95%信頼区間(以下,CI):0.59-0.97),女性(OR:0.46,95%CI:0.37-0.59),年齢(OR:1.02,95%CI:1.00-1.04),収入のある仕事(OR:0.77,95%CI:0.61-0.97),過去1年転倒骨折なし(OR:0.54,95%CI:0.42-0.71),主観的健康感(OR:0.70,95%CI:0.59-0.84),食事の多様性(OR:0.95,95%CI:0.93-0.97)であった。

結論 高齢者の運動は,主観的ウェルビーイングに関連する楽しみ・生きがいの対象として取り組むことが,3年後の自立度低下の抑制に関連する可能性が示唆された。

キーワード 運動頻度,主観的ウェルビーイング,自立度,高齢者,縦断調査

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