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論文記事:患者調査データを用いた循環器疾患患者数の年齢・時代・コホート分析 202006-05 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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論文

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第67巻第6号 2020年6月

患者調査データを用いた
循環器疾患患者数の年齢・時代・コホート分析

奥井 佑(オクイ タスク)

目的 患者調査のデータを用いて近年の循環器疾患の患者数と通院率の動向について年齢・時代・コホート分析(APC分析)を行った。

方法 1999年から2017年までの患者調査の循環器疾患患者の総患者数,人口動態調査の人口のデータを用いた。循環器疾患として,高血圧性疾患,心疾患(高血圧性を除く),虚血性心疾患,脳血管疾患の4疾患の動向を分析した。年齢区分は30-34歳から85-89歳まで5歳刻みで全12年齢階級とし,コホート情報として,1910-1914年生まれから1983-1987年生まれ世代まで1歳刻みでコホートを定義して用いた。分析手法として,ベイジアンAPCモデルを用い,男女別に通院率の変化を年齢効果,時代効果,コホート効果の3つに分離した。

結果 循環器疾患のうち,高血圧性疾患の患者数は男女とも増加傾向であるのに対して,虚血性心疾患や脳血管疾患は減少傾向であった。APC分析の結果,男女とも年齢効果が他の効果よりも相対的に変動が大きい場合が多く,通院率に対する年齢効果が高齢になるほど高まることが確認された。高血圧性疾患について,男女とも1948年生まれ近辺から通院率に対するコホート効果が世代を経るごとに減少していたが,男性の方が効果の減少度合いが緩やかであり,1976年生まれ近辺からは効果が上昇に転じていた。心疾患(高血圧性を除く)について,男性で1930年生まれ近辺から,女性では1920年代生まれ近辺からコホート効果の減少がみられたが,女性における効果の減少度合いがより顕著であり,男性では1965年生まれ近辺から効果が横ばいとなっていた。脳血管疾患については,男女ともコホート効果の減少が認められたが,男性においては1970年生まれ近辺から,女性においては1960年生まれ近辺からコホート効果が緩やかに上昇に転じていた。

結論 患者調査データを用いて循環器疾患通院率の動向をAPC分析した結果,疾患および性別により時代効果とコホート効果の動向が異なることが示され,男女で患者数の動向が類似する場合においても各効果の動向が異なる傾向が示された。

キーワード 循環器疾患,年齢・時代・コホート分析,患者調査,公的統計,ベイジアンAPCモデル

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