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論文記事:経済開発協力機構(OECD)諸国の一般病院と日本の急性期病院の違いに関する研究 202105-01 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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第68巻第5号 2021年5月

経済開発協力機構(OECD)諸国の一般病院と
日本の急性期病院の違いに関する研究

-医療施設調査・病院報告,OECD保健統計を用いて-
鈴木 修一(スズキ シュウイチ) 小塩 篤史(コシオ アツシ) 加藤 尚子(カトウ ナオコ)
近藤 正英(コンドウ マサヒデ) 長谷川 敏彦(ハセガワ トシヒコ)

目的 日本の一般病院はサービス提供形態が未分化であり,他のOECD諸国の一般病院と同様に急性期ケアを提供する病院群(急性期病院群)以外にも,異なるサービスを提供している病院の類型(療養型施設群,外来型施設群,ケアミックス病院群)があるといわれている。しかし,類型化されることならびに各類型の特徴は十分に検討されていない。本研究では,探索的に日本の一般病院がサービス提供形態別に4類型に分けられることを検討し,分けられた急性期病院群とOECD諸国の一般病院の特徴を比較して類似性や差異を検討した。

方法 2014年医療施設調査・病院報告の個票データを使用して,日本の一般病院のサービス提供における投入と産出等の違いを示す9指標を抽出し,Two Stepクラスター分析を用いて分け,サービス形態の特徴を基に4類型とクラスターを結びつけた。そして,急性期病院群とOECD諸国の一般病院の指標を比較し,差異を検討した。

結果 クラスター分析の結果,4類型に分けられ,急性期病院群は全病院の約2割,ケアミックス病院群は約3割,外来型施設群は約3割,療養型施設群は約2割であった。急性期病院群は,多くの急性期の入院サービスを提供し,日本の一般病院全体よりもOECD諸国の一般病院に近い特徴を有するものの,外来患者の割合が高く,資本集約的で平均在院日数が長い。また,ケアミックス病院群は,亜急性期・療養・外来サービスを,療養型施設群は急性期病床においても療養サービスを,外来型施設群は多くの外来サービスを,提供していた。

結論 日本は,1980年代より,病院機能分化施策を進めてきたが,急性期病院以外の病院が多く,機能分化が進むべき余地がいまだに大きいと考えられる。地域医療構想における「地域完結型」の医療の実現には,2025年の将来推計における急性期と慢性期病床の過剰と回復期病床の不足の是正が必要である。日本の急性期病院群における急性期病床数はOECD平均なみであることから,急性期病床は,急性期病院群における削減よりも外来型施設群における削減(有床診療所への転換や回復期や慢性期のサービス提供への転換)が必要である。また,療養型施設群における療養病床の削減(介護施設への転換や回復期から慢性期のサービス強化)が必要である。

キーワード 医療施設調査・病院報告,OECD保健統計,一般病院,急性期病院,機能分化,地域医療構想

 

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