一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供 - 論文記事:子どもの年齢差と保護者の育児困難感との関連-末子とその直上兄姉の年齢差に着目した検討- 20260601

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論文

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第73巻第6号 2026年6月

子どもの年齢差と保護者の育児困難感との関連

-末子とその直上兄姉の年齢差に着目した検討-

平光 良充(ヒラミツ ヨシミチ)

目的 本研究の目的は,子どもの年齢差と保護者の育児困難感との関連を明らかにすることである。

方法 2012年7月から2021年3月までに名古屋市で実施された3カ月児健康診査(以下,健診)の問診票データのうち,2021年3月末時点での各世帯における末子のデータを分析に使用した。第1子および使用する変数に欠損のあるケースは分析から除外した。分析対象となった保護者は38,582人である。目的変数は育児困難感の有無とした。説明変数は,末子とその直上の兄姉の年齢差(以下,末子年齢差)とし,「0日」(多胎児に該当),「1歳未満」「2歳未満」「3歳未満」「4歳未満」「5歳未満」「5歳以上」の7群に区分した。調整変数は,子どもの性別,母親の年齢,母親の健康状態,妊娠期の異常の有無,出生時体重,育児協力者の有無,出産経験,子どもの人数,子どもの気質とした。これらの変数を使用した修正ポアソン回帰分析を行い,育児困難感を抱える保護者の割合の比(以下,育児困難感有訴割合比)を算出した。

結果 「5歳以上」を基準カテゴリとした多変量修正ポアソン回帰分析を行ったところ,育児困難感有訴割合比は「0日」が最も大きく,末子年齢差が小さい群ほど有訴割合比が大きくなる傾向がみられた。「2歳未満」~「5歳以上」の各群は,「0日」との間に有訴割合比の95%信頼区間に重なりがみられなかった。一方,「1歳未満」は,「0日」との間に95%信頼区間の重なりがみられた。しかし,「1歳未満」を基準カテゴリとして多変量修正ポアソン回帰分析を実施したところ,「0日」における有訴割合比は1を有意に上回っていた。

結論 子どもの年齢差が小さいほど育児困難感を抱える保護者の割合が高く,その割合は多胎児において最も高くなることが示唆された。育児困難感に関する支援を行うにあたっては,多胎児の保護者が最も重要な支援対象であるが,年子などの年齢差が小さい子どもを育てる保護者に対しても,育児困難感を抱えていないか周囲が注意を払う必要があると考えられる。

キーワード 育児困難感,年齢差,多胎児,年子,3カ月児健康診査

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