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論文記事:地域別将来人口・患者数分析ツールの開発および医療計画策定への応用 201508-01 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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第62巻第8号 2015年8月

地域別将来人口・患者数分析ツールの開発および医療計画策定への応用

村松 圭司(ムラマツ ケイジ) 酒井 誉(サカイ ホマレ)
久保 達彦(クボ タツヒコ) 藤野 善久(フジノ ヨシヒサ) 松田 晋哉(マツダ シンヤ)

目的 人口構造の変化に伴い,各地域の医療需要が変化すると考えられる。限られた医療資源を有効に活用するためには,将来の医療需要を推計し適正に配置する必要がある。また,各地域で現状有する医療機能や隣接医療圏との関係など様々な事情が異なるため,画一的な将来患者推計結果の共有だけでなく,多様な切り口での分析を可能とする仕組みが必要である。今回著者らは既存のソフトウェアを用いて任意の地域および疾患の将来患者数推計を実現したので報告する。

方法 2011年患者調査の傷病分類別にみた都道府県別受療率および国立社会保障・人口問題研究所の人口推計を用いて,将来患者数を推計した。可視化にあたっては多くの自治体・医療機関で既に導入されているMicrosoft Excelのみを用いた。

結果 作成したツールを用いて北九州医療圏における将来人口・患者数推計の結果の可視化を行った。総人口は1990年から減少が続いており,2040年には約90万人となると推計されている。人口減少の主たる原因は高齢者の死亡によるもので,医療需要の増加が想定される。また,高齢者の人口が増加するため,医療の提供方式の見直しも必要と考えられる。将来患者数推計では入院・外来ともに2030年頃をピークに2010年のおよそ1.1~1.2倍に患者数が増加すると推計される。特に脳血管疾患,虚血性心疾患,肺炎,骨折の患者増が見込まれる。

結論 将来患者数推計の結果を活用することでより具体的な医療計画の策定が可能になることが示された。

キーワード 将来患者数推計,医療計画,地域医療構想

 

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