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論文記事:地域の高齢者における友人の獲得とつながりの維持に関する縦断研究 201507-01 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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第62巻第7号 2015年7月

地域の高齢者における友人の獲得とつながりの維持に関する縦断研究

岡本 秀明(オカモト ヒデアキ)

目的 地域の高齢者のつながりづくりやつながりの維持に関して友人に焦点をあて,縦断調査データを用いて,友人を獲得している者,友人と会う機会を維持している者,親しい友人・仲間をもち続けている者の特性の3点を明らかにすることを目的とした。

方法 千葉県都市部4市に在住する高齢者(65~79歳)2,000人を無作為抽出し,初回調査を2010年に,追跡調査を2013年に実施した。分析対象者数は,610人であった。分析には,二項ロジスティック回帰分析を用いた。従属変数は,友人を獲得している者の特性の検討では,初回調査時に友人の獲得がない者のみを抽出し,追跡調査時における友人の獲得の有無とし,友人と会う機会を維持している者の検討では,初回調査時に友人と会う機会がある者のみを抽出し,追跡調査時における友人と会う機会の有無とし,親しい友人・仲間をもち続けている者の検討では,初回調査時に親しい友人・仲間がいる者のみを抽出し,追跡調査時における親しい友人・仲間の有無とした。

結果 二項ロジスティック回帰分析の結果,友人を獲得している者の特性は,人間関係を広げる志向の得点が高い,趣味の会等仲間内の活動をしている,学習の場に参加している,であった。友人と会う機会を維持している者の特性は,人間関係を広げる志向の得点が高い,趣味の会等仲間内の活動をしている,老人クラブ活動をしている,であり,外出や活動参加に誘われるに有意傾向(p<0.1)がみられた。親しい友人・仲間をもち続けている者の特性は,人間関係を広げる志向の得点が高い,趣味の会等仲間内の活動をしている,学習の場に参加している,であり,女性に有意傾向がみられた。

結論 友人の獲得,友人と会う機会の維持,親しい友人・仲間の維持のそれぞれの関連要因が明らかになり,これらすべてに共通していた関連要因は,人間関係を広げる志向が強い,趣味の会等仲間内の活動をしていることであった。

キーワード 社会的ネットワーク,友人関係,友人の獲得,つながりの維持,高齢者,縦断研究

 

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