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第57巻第8号 2010年8月

学生の介護職のイメージ

-介護福祉実習体験の違いによる意識の比較-
津田 理恵子(ツダ リエコ)

目的 介護に対する社会的イメージが悪い中で,介護福祉士養成施設における学生の定員割れは深刻な課題となっている。そこで,介護福祉士養成施設で学ぶ学生に,介護職のイメージなどについてアンケート調査を実施し,介護福祉実習経験を重ねることでその意識に差があるのか比較検討し,その結果をもとに,介護現場が抱える課題を整理することで,介護福祉士養成施設における学生への価値教育に役立てたいと考えた。
方法 調査対象は4年制大学介護福祉コースの学生81名で,2009年4月4日~4月15日の期間に,介護職のイメージや働きがい,介護福祉実習体験による介護職のイメージの変化,将来の就職希望職種などの質問紙を作成し,学年ごとに一斉に配布し自己記入方式,無記名で回答を得た。介護福祉実習経験を重ねた者による意識を比較するためにSPSS15.0を使用し,学年ごとの回答を記述統計処理し,自由記述回答は,回答内容をカテゴリー化して整理した。
結果 介護職は働きがいがあると感じているにも関わらず,介護に対するイメージは良いとはいえず,「介護の質」「人材不足」「給料面」での課題を感じていることが明確になった。介護福祉実習を重ねることで,介護現場の課題を認識したうえで,現場の表面的な大変さだけでなく,介護者としての喜びを実感し介護職を希望する学生が増える傾向があることが明確になった。
結論 専門職者として理論と実践の統合を目指した介護福祉実習では,学生が利用者との関わりから,生活支援を通して働きがいがある職種としてその喜びが実感できるよう,学生自身の成功体験を導く教授内容を展開する必要である。そして,社会における介護職のイメージ回復に向けた取り組みにより,介護のイメージの負のスパイラルは断ち切れると示した。
キーワード 介護職のイメージ,学生,介護福祉実習,実践現場の課題,養成教育

 

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