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第54巻第13号 2007年11月

体重の毎日測定・記録による中高年者の健康管理と健康教育の可能性

小林 正子(コバヤシ マサコ)

目的 体重を毎日測定して記録し,グラフにする,これを継続することが中高年者の健康管理に役立つか,また健康教育になり得るかについて検討する。さらに,体重変動の特徴を把握し,体重による健康管理のポイントを明らかにする。
方法 現在大きな健康問題のない56~84歳の男女12名(男性5名,女性7名)を対象として,全員に同一の体脂肪計付き体重計を配布し,各家庭において毎日,各自が決めた時間帯に体重を測定し記録してもらった。測定期間は1年1カ月を設定し,その間1カ月ごとにFAXで記録を送付してもらう。それをグラフに表すとともにコメントを付けて返信する。一方で,体重の推移と曜日ごとの変動に着目した分析を行った。
結果 体重の毎日測定・記録は脱落者もなく1年余継続し,ほぼ全員が毎日測定・記録を肯定する結果となった。単に測定するのみでなく記録しグラフに表すことで自らの生活を省みる契機となり,1カ月ごとに記録を送付することもあって健康について積極的に考えるようになる効果があった。また,体重の変動で1週間のリズム(週内変動)がみられたことから,週末に増加しないよう注意することで体重減少が促進された。
結論 体重の毎日測定,グラフ化は,日々の生活の仕方を省みたり,健康をより意識するようになるなど健康管理に効果があり,健康教育としても有効である。また,自らの体重変動の特徴を知ることや週内変動や季節変動などのリズムを把握することが体重管理に重要と考えられる。
キーワード 体重,中高年,健康管理,健康教育,週内変動,メタボリックシンドローム

 

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