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第48巻第15号 2001年12月

都道府県別にみた飲酒率と疾患別年齢調整死亡率の相関

旭 伸一(アサヒ シンイチ) 多治見 守泰(タジミ モリヒロ) 大木 いずみ(オオキ イズミ)
尾島 俊之(オジマ トシユキ) 中村 好一(ナカムラ ヨシカズ) 岡山 明(オカヤマ アキラ)
松村 康弘(マツムラ ヤスヒロ) 柳川 洋(ヤナガワ ヒロシ)

目的 わが国における飲酒率の地域差,および飲酒率と疾患別死亡率の地域差を観察することにより,飲酒の健康影響を明らかにする。
方法 都道府県別飲酒率は1986年から1995年までの10年聞の国民栄養調査の結果を用いた。都道府県別に飲酒率の年齢調整を間接法で行い,飲酒者指数(観察数/期待数)を用いて,地域特性 を観察した。また人口動態統計特殊報告(1995年)を用いて,飲酒者指数と疾患年齢調整死亡率との相関係数を性別に観察した。
結果 男の飲酒者指数は秋田,宮崎,青森で高く,徳島,沖縄,埼玉で低かった。男の飲酒者指数 の分布範囲は0.87(徳島)から1.26(秋田)であった。女の飲酒者指数は,東京,北海道,大阪で高く,鳥取,香川,三重で低かった。女の飲酒者指数の分布範囲は0.18(鳥取)から1.60(東京) であった。飲酒者指数と疾患別年齢調整死亡率の間に強い正の相関が見られた死因は,男では脳血管疾患,脳梗塞,不慮の事故,不慮の溺死及び溺水,自殺であり,女では結核,悪性新生物,気管・気管支及び肺の悪性新生物,虚血性心疾患,肺炎,肝疾患であった。飲酒者指数と 疾患別年齢調整死亡率の間に強い負の相関が見られた死因は,男では虚血性心疾患であり,女では老衰,不慮の事故,交通事故,不慮の弱死及び弱水であった。
結論 女の飲酒者指数の傾向は喫煙者指数の傾向にほぼ一致し,北海道と大都市に高かった。飲酒者指数と各疾患別死亡率の相関から,脳血管疾患死亡率,虚血性心疾患死亡率,一部の悪性新生物死亡率,および外因死死亡率への影響が存在すると推定された。
キーワード 都道府県別飲酒者指数,死因別年齢調整死亡率,相関係数

 

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