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第47巻第15号 2000年12月

広島県における給食サービス事業の
実態並びに利用者の需要に関する調査

-保健所はどう支援していくか-
安武 繁(ヤスタケ シゲル) 渡邉 傳枝(ワタナベ ツタエ) 戎 淳子(エビス ジュンコ)
本慶 啓子(ホンゲイ ケイコ) 山内 英理子(ヤマウチ エリコ) 高橋 知佐子(タカハシ チサコ)
野島 誠治(ノジマ セイジ) 石井 清士(イシイ キヨシ)
柳原 節子(ヤナギハラ セツコ) 河裾 信也(カワスソ シンヤ)

目的 給食サービス事業は,高齢者の在宅生活支援に重要な役制を持っているが,その管理運営面や施設の衛生面など実施については今まで十分に把握されていなかった。そこで,給食サービスの位置づけや課題を明らかにするために,実態調査及び実地調査並びに給食サーピス利用者の需要調査を実施し,配食型サービスと会食型サービスの比較検討を行った。
方法 1 . 給食サービス事業の実態調査:1998年9月~10月に,広島県内の83市町村の実施主体91団体及び172事業団体を調査対象とし,給食サービス状況,管理連営体制,衛生管理状況,実施にあたっての課題・要望などについて把握した。
2 .給食サービス利用者の需要調査:1999年9月~10月に,広島県三原保健所管内(3市8町)給食サービスの利用者(配食型1,768入,会食型695入)を調査対象として,利用者本人の状況,給食サーピス利用の状況,今後の希望内容などについて把握した。
結果 1.給食サービス事業の実態調査:給食サーピスの実施主体85団体のうち,責任の所在が「実施主体」であるとした団体は38団体(45%)であり,そのうち8団体は緊急時の連絡体制が未整備であった。各給食サービス事業者の現在の問題点や課題では,衛生管理面が最も多く,食品衛生面での不安が大きかった。
2. 給食サービス利用者の需要調査:食生活について必要だと思われる支援では,配食型では「配達による食事」34%,「買い物の手伝い」17%,「簡単料理集の発行」15%などであった。 会食型では「地域の仲間との会食」25%,「配達による食事」12%などであった。特に配食型において「買い物の手伝い」,「簡単料理集の発行J などが会食型より多い傾向を認めた。性・年齢別にみると,85歳以上の男性では配食型で「配達による食事」42%, 「買い物の手伝い」20 %,「調理の手伝い」16%などが多い傾向を認めた。
結論 配食型と会食型それぞれについて,サービス実施団体の管理運営体制・衛生管理状況,サー ビス利用者の希望内容において特徴が認められた。保健所はそれに基づいた対策を講じる必要 がある。そこで,保健所としては,配食型サーピスに従事するボランティア団体に研修会を実施したり,給食サービス実施施設の現地指導や危害防止マニュアル作成及び所内外の関係者による連絡会議を継続的に育成したいと考える。
Key words:高齢者,給食サービス事業,管理連営体制,衛生管理,保健所

 

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