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第60巻第6号 2013年6月

日本人自殺者数とその増減による空間集積性の評価

冨田 誠(トミタ マコト) 石岡 文生(イシオカ フミオ) 久保田 貴文(クボタ タカフミ)
藤田 利治(フジタ トシハル)

目的 日本における自殺者数は,長年にわたって高い水準で推移しており,この問題の解決のためには統計的な把握が重要であることは明白である。日本人の大規模かつ大量データを用いて,地理的な空間集積性を把握し,さらに時間的な増減の変化も考慮し,各地域における詳細な傾向・推移を考察する。

方法 「自殺死亡についての地域統計」を2008年の隣接情報に従って空間・時空間的な集積性構造を明らかにし,Echelon scan法によって得られた最大尤度比となる領域をmost likely clusterとして同定した。

結果 時空間解析を用いた結果と異なり,期間ごとの増減率を用いた結果では,男性は特に急増した第3~5期に大都市圏に近い領域が集積地域として検出され,また,女性は第4~6期に大都市圏に近い領域が検出された。

結論 男性・女性ともに,首都圏または近畿圏などの大都市圏を中心とした領域が集積地域として検出され,先行研究とそれぞれ異なる推移・傾向を示した。年間の自殺者数が3万人を超えた第5期以降(1998年以降)の超高水準期に移る前の大都市圏での変化が,現在の自殺者数増加という状況に影響を与えた何らかの兆候を示しているのではないかと考えられた。

キーワード 自殺データ,空間集積性,空間スキャン統計量,時空間解析

 

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