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第61巻第13号 2014年11月

通所型二次予防事業実施状況の地域格差に関連する要因の検討

-施設立地状況とマンパワーに着目して-
相馬 優樹(ソウマ ユウキ) 角田 憲治(ツノダ ケンジ)
立山 紀恵(タチヤマ キエ) 大藏 倫博(オオクラ トモヒロ)

目的 現在,全国の地方自治体において,要介護状態へ移行するリスクの高い高齢者に対し,運動器の機能向上,栄養改善,口腔機能の向上等を目指した二次予防事業が実施されており,一定の成果をあげている。しかしながら,その実施状況には地域差があることが考えられ,今後さらに二次予防事業を効果的に広めていくためには,地域の実情を把握し,地域差に関連する要因を検討する必要がある。そこで,各都道府県の二次予防事業の実施状況や,実施状況に影響すると考えられる施設と地域包括支援センターの保健師数に焦点を当て,それらの関連を検討することを目的として研究を行った。

方法 全国47都道府県を対象とし,人口統計,ジニ係数,病院・診療所数,公民館数,地域包括支援センターの保健師数,二次予防事業実施状況について,各省庁や政府統計の総合窓口においてWeb上で公開されているデータを用いて分析した。さらに,相関分析によって二次予防事業実施状況と病院数,診療所数,公民館数,地域包括支援センターの保健師数との関連を検討した。

結果 それぞれのプログラムの,高齢者人口10万人当たりの参加実人数の3年間の平均値は,運動器の機能向上プログラム(単独:128~870人,複合:198~1,059人),栄養改善プログラム(単独:2~51人,複合:28~531人),口腔機能の向上プログラム(単独:9~236人,複合:59~636人)のそれぞれで都道府県間に地域差がみられた。また,運動器の機能向上プログラム実施状況の地域差に関連する要因として,人口当たりの病院数(β=0.24~0.39,p<0.10)および公民館数(β=0.27~0.36,p<0.10)が抽出された。高齢者人口当たりの地域包括支援センターの保健師数は抽出されなかった。

結論 二次予防事業の実施状況には地域差がみられた。また,運動器の機能向上プログラムに関しては病院数と公民館数が多い自治体ほど実施状況が良く,今後これらの施設を活用した事業の展開が重要となってくることが考えられる。

キーワード 二次予防事業,地域差,公民館,病院,運動器の機能向上プログラム

論文