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第50巻第2号 2003年2月

日本人習慣飲酒のコウホート分析

-国民栄養調査による-
那須 郁夫(ナス イクオ) 渡邊 寿子(ワタナベ ヒサコ)
中村 隆(ナカムラ タカシ) 堀内 俊孝(ホリウチ トシタカ)

目的 国民栄養調査資料を利用して,飲酒習慣データをコウホート分析し,国民レベルでの飲酒実態を俯瞰的に把握することを目的とする。
方法 資料は,昭利61年から平成12年までの,国民栄養調査報告における飲酒の習慣がある者の割合である。男女別に,6年齢階級(20-29歳から70歳以上まで)×15回の調査時点の配列からなるコウホート表を作成し,3次元グラフと等計量線図による視覚化と,中村のペイズ型コウホートモデルによる時代・年齢・コウホートの3効果への分離により検討を加えた。
結果 男件の習慣飲酒は,年齢に依存して変化する伝統的な様相が示された。昭和20年代以降に生まれた男性では世代が新しく若いほど習慣飲酒率が低下していた。女性では,時代が進むにつれて全年齢において上昇していた。特に男性とは逆に,昭和30年代以降生まれの世代では習慣飲洒率が一貫して上昇していた。
結論 男性の習慣飲酒はほぼ上限に達しており,今後のアルコール離れさえ予測される。現在のわが国の飲酒は「規制緩和」の結果,酒類の販売形態がスーパーマーケットにシフトしたこと,発泡酒ブーム,ワインの安売りブーム,ジュース感覚の焼酎カクテルの広がりなどにより,むしろ女性主導で進んでいる感がある。特に女性の最も新しい世代における,とどまるところを知らない「変貌」は飲酒と健康について考える上で放念できない。
キーワード 習慣飲酒,世代差分析,愚民栄養調査,生活習慣

 

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