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第49巻第11号 2002年10月

身体活動量の国際標準化

-IPAQ日本語版の信頼性,妥当性の評価-
村瀬 訓生(ムラセ ノリオ) 勝村 俊仁(カツムラ トシヒト) 上田 千穂子(ウエダ チホコ)
井上 茂(イノウエ シゲル) 下光 輝一(シモミツ テルイチ)

自的 WHOワーキンググループでは,世界各国における身体活動量の現状を把撮し国際比較をするために,国際標準化身体活動質問表(IPAQ)を開発した。本研究は,IPAQ日本語版の信頼性,妥当性を検証することを目的とする。
方法 対象は‘東京に在勤または在住する男性62人(年齢36.8土10.6歳),女性63人(年齢32.0土9.2歳)である。IPAQは,平均的な1週間における高強度および中等度の身体活動を行う日数および時間を質問するものである。仕事中,移動中,家庭内,レジャータイムなどの生活場面別に質問するLong Version(LV)と,強度別のみで質問するShort Version(SV)の2種類がある。日本語版IPAQの作成に際しては,原本を日本語に翻訳した後,英語への逆翻訳を行い,翻訳が正確であることを確認した。質問紙の回答はLVとSVの順番をランダムにして 1,8,11日目に実施し,同時に2~8日目には毎日の生活活動記録(Log)及び2種類の加速度計(CSA,ライフコーダ(LC))により身体活動量の評価を行った。CSA,LCは垂直方向の加速度を感知するものである。CSAは活動量をカウント数に換算し,LCは体重を加味して歩教と消費エネルギーに換算する。LV,SV,Log,CSA,LCの情報を基に,身体活動量を算出した。LV及及びSVにおける3回の回答より信頼性を評価し,1日目のIPAQとLog,CSA,LCのデータを比較することにより妥当性の評価を行った。
結果 LV及びSVにおける3回の回答の相関係数は,LVでは0.87~0.96(p<0.001),SVでは0.72~0.93(pく0.001)であり高い信頼性があることが示された。LV,SVとLog,CSA,LCとの相関は,LVでは0.66,0.35,0.30(pく0.001)であり,SVでは0.63,0.39,0.37(pく0.001)であり,これまでの質問表と同等以上の相関が得られた。計3回の調査において,LVより算出された消費エネルギーは, SVと比較すると約100kcal/day.程度多い傾向であった。しかし,両者の相関係数は0.80~0.88であり,非常に高い相関であった。
結論 IPAQは従来の質問表と比較して,信頼性,妥当性の面で同等以上であることが示され,身体活動量の国際比較に活用できることが示された。
キーワード IP1AQ,国際標準化,身体活動質問表,加速度計,信頼性,妥当性

 

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