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第61巻第6号 2014年6月 大学生に対する調査で明らかになった
宮村 季浩(ミヤムラ トシヒロ) 和泉 恵子(イズミ ケイコ) 鈴木 孝太(スズキ コウタ) |
目的 骨折は,小児期から青年期における健康上の大きな問題の1つであるが,その疫学データが十分に示されていない。本調査は,大学生に対する調査を元に,小児期から青年期における骨折歴および骨折の発生率について明らかにする。
方法 調査対象は,山梨大学の18歳以上25歳以下の日本人学生3,639名で,2012年の学生定期健康診断の問診で,保健師・看護師が0歳から18歳までのすべての骨折について聞き取り調査を行った。
結果 0歳から18歳までの間に,704名(21.4%)が骨折を経験しており,男性574名(24.0%),女性130名(14.4%)と男性で有意に多かった。骨折を経験した者の中の145名(20.6%)が複数回の骨折を経験していた。年齢ごとの全骨折の,発生率が最大となるのは,男性で13歳,女性では13歳と17歳に2つのピークがあった。骨折部位ごとでは,手関節・手指の発生率が最も高かった。また,女性と比べて男性で四肢の骨折と比べ頭部・体幹の骨折が多く,さらに,四肢の骨折と比べ,頭部・体幹の骨折は受傷年齢が高い傾向が認められた。
結論 骨折は,18歳までに2割以上の者が経験する頻度の高い健康上の問題である。小児期から青年期における骨折の予防のため疫学的なデータを整備し,さらには発生率の地域差やその受傷原因について明らかにして行くことが重要な課題である。本調査は,そのための基礎資料となるものと考える。
キーワード 疫学,骨折,発生率,小児期から青年期











