メニュー

一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

m header btn

一般財団法人 厚生労働統計協会

サイトポリシープライバシーポリシー

pmark     お問い合わせ
  • img01
  • 国民衛生の動向2025/2026
  • 国民の福祉と介護の動向2025/2026
  • 令和7年度社会保障・人口問題基礎講座
  • 図説国民衛生の動向2024/2025
  • 生物統計学の道標 研究デザインから論文報告までをより深く理解するための24講

第59巻第4号 2012年4月

国民健康・栄養調査の協力率とその関連要因

西 信雄(ニシ ノブオ) 中出 麻紀子(ナカデ マキコ) 猿倉 薫子(サルクラ ノブコ)
野末 みほ(ノズエ ミホ) 坪田 恵(ツボタ メグミ) 三好 美紀(ミヨシ ミキ)
卓 興鋼(タク キョウコウ) 由田 克士(ヨシタ カツシ) 吉池 信男(ヨシイケ ノブオ)

目的 国民健康・栄養調査のデータは健康日本21の最終評価等に活用され,健康増進施策の推進,評価のために貴重な資料となっている。本研究は,国民健康・栄養調査の調査地区が国民生活基礎調査の調査地区から抽出されることを利用して,世帯および個人単位で国民健康・栄養調査の協力率とそれに関連する要因を検討することにより,統計学的な代表性を評価することを目的とした。

方法 平成15年から19年の国民健康・栄養調査の調査地区について,国民生活基礎調査と国民健康・栄養調査のレコードリンケージを行った。世帯単位の協力率については,世帯単位でレコードリンケージを行い,国民健康・栄養調査の協力率および協力率に関連する要因を検討した。個人単位の協力率については,国民生活基礎調査に協力した世帯の20歳以上の世帯員を対象に個人単位でレコードリンケージを行い,国民健康・栄養調査の協力率を身体状況調査およびその一部の血液検査と,栄養摂取状況調査,生活習慣調査の各々について検討した。

結果 世帯単位の協力率は平成15年から19年の平均で66.4%であり,世帯人員が1人の世帯,特に男性の単独世帯で低かった。個人単位の協力率は身体状況調査が53.2%,血液検査が34.4%,栄養摂取状況調査が61.3%,生活習慣調査が63.1%であり,身体状況調査,特に血液検査で低かった。性別にみると,いずれの調査も男性より女性の協力率が高く,特に身体状況調査と血液検査で男女の差が大きかった。年齢階級別にみると,いずれの調査も20歳代が最も低く,男性では60歳代と70歳以上が,女性では60歳代が高かった。配偶者の有無別にみると,男女のいずれの年齢階級でも配偶者なし(未婚・死別・離別)の者に比べて配偶者ありの者の協力率が高かった。

結論 世帯や個人の特性により国民健康・栄養調査の協力率に差がみられたことは,統計学的な代表性が損なわれてきている可能性を示唆している。また,調査の種類によっても協力率に大きな差がみられた。今後,国民健康・栄養調査の協力率を向上させるためには,調査の種類ごとに対象者の特性に応じた方法を検討する必要があると考えられる。

キーワード 国民健康・栄養調査,国民生活基礎調査,レコードリンケージ,協力率,単独世帯,配偶者の有無

 

論文