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論文記事:命の意味づけ尺度の開発 201306-03 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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第60巻第6号 2013年6月

命の意味づけ尺度の開発

池田 幸恭(イケダ ユキタカ) 落合 亮太(オチアイ リョウタ) 菱谷 純子(ヒシヤ スミコ)
高木 有子(タカギ ユウコ)

目的 命や生命の問題を考える上では,個人がどのように命を意味づけているかが重要になると考え,命の意味づけ尺度を作成し,その信頼性と妥当性を確かめることを目的とした。

方法 生命および命に関連する先行研究と医療系大学生より収集した命の意味づけに関する自由記述に基づいて項目を作成した。作成した命の意味づけ尺度68項目について質問紙調査を医療系大学生に実施した。質問紙調査への協力者484名のうち,回答不備などを除いた434名の回答を分析した(有効回答率89.7%)。因子分析によって命の意味づけ尺度の下位尺度を構成し,α係数および再検査法による安定性から信頼性を検討した。さらに,命の意味づけ尺度について,死生観尺度との相関や,生死に関する経験による得点差から妥当性を検討した。

結果 命の意味づけ尺度は,因子分析の結果に基づき,「命としてあることの実感」「自分の命を人のために役立てたいという使命感」「世代を超えた命のつながり感」「命の相互のつながり感」「自他の命の証を遺したいという願い」「限りある命の実感」という6下位尺度から構成された。各下位尺度のα係数は0.63~0.87,再検査時の相関係数は0.35~0.56であり,「限りある命の実感」以外の5下位尺度に死生観尺度における『人生における目的意識』と0.18~0.35の相関係数が得られた。命の意味づけ尺度について,内的整合性と安定性,死生観および生死に関する経験との関連から,一定水準の信頼性と妥当性が確かめられた。

結論 命の意味づけ尺度は6下位尺度から構成され,一定水準の信頼性と妥当性が確かめられた。開発された命の意味づけ尺度を命の教育での授業評価あるいは看護や医療における臨床現場に活用することができると考えられた。

キーワード 命の意味づけ,生命,死生観,尺度

 

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