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論文記事:ドラッグストアにおける禁煙支援者育成の試み 200309-03 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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第50巻第10号 2003年9月

ドラッグストアにおける禁煙支援者育成の試み

磯村 毅(イソムラ タケシ) 村手 孝直(ムラテ タカナオ)

目的 平成13年9月にニコチンガムがOTC(Ovcr-the-Counter)販売となるなど,薬局,ドラッグストアにおける禁煙支援者の育成が急務となっている。ドラッグストアにおける効果的な禁煙支援者育成の方法を検討した。
方法 ドラッグストアチェーンであるスギ薬局の新入社員97人に対し,講義形式60分,ロールプレイ20分による禁煙支援者育成セミナーを行った後,アンケートを実施した。
結果 過去に禁煙を勧めたことがある人は22%であったが,セミナー終了後に,今後,勧めると答えた人は78%に増加した。禁煙支援の能力について,やろうと思えばできた,だいたいできた,と答えた人は33%であったが,セミナー後は,できる,だいたいできると答えた人は78%に増加した。喫煙者と非喫煙者(過去の喫煙者含む)で比較すると,今までに禁煙を勧めた人の割合は,それぞれ順に20%,23%と低かった。セミナー後,勧めると答えた人は.両群ともに増加したが,喫煙者での57%と比べ,非喫煙者では85%となり有意に大きくなった(p=0.0052)。タバコ関連疾患について8問全部正解だった人は喫煙者の50%に比べ,非喫煙者では73%と多かった(p=0.028)。タバコを吸う動機について,喫煙者では「気持ちが休まる」と答えたものが22%であったが,非喫煙着では56%と多かった(p=0.0029)。上記のような違いは男女,出身学部によっては見いだされなかった。
結論 新入社員に対する禁煙支援セミナーの後,禁煙を勧めると答えた人が増加した。非喫煙肴に対し働きかけると,より効率よく禁煙支援者を得ることができる。喫煙者の場合,セミナーの直後でも,タバコの害を少なく見積もる傾向がある。非喫煙者では喫煙の理由について,実際の喫煙者と違うことを思い浮かべる場合が少なからずあり,両者の意思疎通の妨げになる。こうした違いは,性別,出身学部によっては認められず,タバコに対する態度は,喫煙者かどうかが決定的である。
キーワード 禁煙支援,ドラッグストア,OTC(Over-The-Counter)

 

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