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論文記事:二次医療圏における研修医マッチ者数の変化について 201310-02 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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第60巻第12号 2013年10月

二次医療圏における研修医マッチ者数の変化について

-平成15~17年および平成21~23年の比較-
江原 朗(エハラ アキラ)

目的 医師の新臨床研修制度導入により,都会と地方の医療資源の格差が拡大したとの報じられることが多い。そこで,新臨床研修制度導入後9年間の各二次医療圏における研修医マッチ者数の変化を解析する。

方法 平成15年から23年における各研修病院のマッチ者数は医師臨床研修マッチング協議会のホームページから引用した。平成22年12月末の各二次医療圏に相当する圏域の研修医マッチ者数を算出し,平成15~17年合計値と平成21~23年合計値とを比較した。

結果 平成21~23年に「0~15人」および「201人以上」のマッチ者数を有する二次医療圏の数は,平成15~17年よりも少なかった。一方,「16~200人」のマッチ者数を有する二次医療圏の数は平成15~17年よりも多かった。二次医療圏における研修医マッチ者数の10および20パーセンタイル値は,平成15~17年,平成21~23年ともに0人で変化がなかった。しかし,平成21~23年における30から80パーセンタイル値は,平成15~17年に比べて増加する一方,90パーセンタイル値は減少していた。大学病院がない場合,マッチ者数が「0~30人」および「51~100人」のマッチ者数カテゴリに属する二次医療圏では上方のカテゴリに移動する地域が多く,「31~50人」および「101~200人」のカテゴリに属する二次医療圏では下方のカテゴリに移動する地域が多かった。大学病院がある場合は,「1~15人」および「51~200人」のマッチ者数カテゴリに属する二次医療圏では上方のカテゴリへの移動する地域が多かった。しかし,「201人以上」のマッチ者を有する二次医療圏では下方のカテゴリへ移動する地域が多かった。

結論 平成15~17年と比べて,平成21~23年には「16~200人」の研修医マッチ者数を有する二次医療圏の数が増加し,「0~15人」ないし「201人以上」のマッチ者数を有する二次医療圏の数が減少していた。大学病院の有無によって規模は異なるが,マッチ者数の少ない二次医療圏ではマッチ者数が増え,ある一定規模以上のマッチ者がいた二次医療圏では逆にマッチ者数が減っていた。

キーワード マッチング,新臨床研修制度,二次医療圏,偏在,医師不足

 

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