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論文記事:慢性閉塞性肺疾患死亡の性差,年齢差,地域差と年次推移 200412-03 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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第51巻第15号 2004年12月

慢性閉塞性肺疾患死亡の性差,年齢差,地域差と年次推移

山本 真梨(ヤマモト マリ) 川戸 美由紀(カワド ミユキ) 谷脇 弘茂(タニワキ ヒロシゲ)
栗田 秀樹(クリタ ヒデキ) 橋本 修二(ハシモト シュウジ) 

目的 慢性閉塞性肺疾患の死亡について,性差,年齢差,地域差と年次推移を記述するとともに,2020年までの死亡数の推計を試みた。
方法 基礎資料として,1982~2001年における性・年齢階級別の慢性閉塞性肺疾患死亡数と人口,2000年における性・都道府県別の慢性閉塞性肺疾患の年齢調整死亡率,2005・2010・2015・2020年における性・年齢階級別の将来推計人口を用いた。慢性閉塞性肺疾患について,2001年の性・年齢階級別死亡率,1982~2001年の死亡数・粗死亡率・年齢調整死亡率の推移,および2000年の性別年齢調整死亡率の都道府県分布を観察した。1982~2020年の性・年齢階級別死亡率が毎年一定倍で変化するという仮定の下で,2005・2010・2015・2020年における慢性閉塞性肺疾患の死亡数を推計した。
結果 粗死亡率(人口10万対)は男15.7,女5.3であり,年齢階級別死亡率は男女とも年齢とともに指数関数的に上昇していた。1982~2001年において,死亡数は男で2.26倍,女で1.94倍,粗死亡率は男で2.13倍,女で1.81倍と増加していたが,年齢調整死亡率は男で1.04倍,女で0.70倍であった。2000年の都道府県別年齢調整死亡率は,同年の全国値と比べて男で0.75~1.74倍,女で0.45~2.6倍であり,西日本に高い府県が多い傾向がみられた。2020年の推計死亡数は男で19,700人,女で4,800人と推計され,2001年と比べて男で約2.0倍,女で約1.5倍であった。
結論 慢性閉塞性肺疾患の死亡には,性差,年齢差と地域差が認められた。最近20年間の死亡数の推移は人口の高齢化の影響を強く受けており,また,今後20年間で死亡数は約2倍になると推計された。
キーワード 慢性閉塞性肺疾患,死亡,人口動態統計,記述疫学

 

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