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論文記事:首都圏内在住中年成人における腹囲測定に基づく内臓脂肪型肥満と軽症うつとの関連 201005-06 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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第57巻第5号 2010年5月

首都圏内在住中年成人における腹囲測定に基づく
内臓脂肪型肥満と軽症うつとの関連

古畑 公(フルハタ タダシ) 橋詰 直孝(ハシヅメ ナオタカ) 高橋 佳子(タカハシ ヨシコ)
鈴木 和春(スズキ カズハル) 樫村 修生(カシムラ オサム) 豊川 智之(トヨカワ サトシ)

目的 内臓脂肪型肥満は,うつをはじめとした心理学的・精神医学的状態と関連があると言われている。両者はともに現代社会の象徴する健康問題であり,その関連について評価する意義は高い。本研究では首都圏内の一般成人を対象とした健診データを用いて,腹囲測定に基づいた内臓脂肪型肥満と軽症うつとの関連について検討した。
方法 首都圏内のI市における成人病基本健康診査受診者のうち,40歳から59歳までの4,039名を対象にアンケートを送付した。軽症うつについては,潜在性微量栄養素欠乏発見システムに含まれる体調・不定愁訴問診表セットを用いた。男性は腹囲85㎝以上,女性は腹囲90㎝以上を内臓脂肪型肥満ありとした。
結果 返答されたアンケート(2,164枚)のうち分析項目においてデータに欠損のある者を除いた1,831名(男性388名,女性1,443名)を分析対象とした。女性の内臓脂肪型肥満に軽症うつが有意に多くみられた(オッズ比3.4,P<0.05)。食事非適量を調整したオッズ比は1.6と減少し,統計学的有意性も消失していた。多重ロジスティック回帰モデルでは,男女とも内臓脂肪型肥満は有意な関連を示さなかった。
結論 女性の内臓脂肪型肥満により軽症うつが高い関連が2変数間ではみられたが,食生活,特に食事非適量による交絡が示唆された。食事を適量に保つことを中心とした食生活指導により,腹囲とうつ症状が改善する可能性について,今後も検討を重ねる意義が示された。
キーワード メタボリックシンドローム,腹囲,軽症うつ,中年成人

 

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