論文
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第63巻第12号 2016年10月 コミュニティ・エンパワメント展開のためのニーズ把握-3年間での推移-冨崎 悦子(トミサキ エツコ) 平野 真紀(ヒラノ マキ) 田中 笑子(タナカ エミコ)渡辺 多恵子(ワタナベ タエコ) 伊藤 澄雄(イトウ スミオ) 奥村 理加(オクムラ リカ) 安梅 勅江(アンメ トキエ) |
目的 本研究の目的は,住民の「なまの声」からコミュニティ・エンパワメント展開のための当事者ニーズを抽出し,健康に対する考え方や工夫を把握することである。また,2008年と2011年の変化を抽出し,今後の健康長寿に向けた方策策定への一助とすることである。
方法 大都市近郊農村自治体住民と保健福祉専門職10グループ73名(男性34名,女性39名)にフォーカス・グループ・インタビューを2011年に実施した。各グループのインタビューから得られた結果をシステム理論に基づきカテゴリー化し,コミュニティ・エンパワメントに関するニーズを抽出した。その結果を2008年に行ったフォーカス・グループ・インタビューと比較し,3年間の変化をまとめた。
結果 重要カテゴリーとしては大きな変化がみられなかった。しかし,内容に少しずつ変化がみられた。“個”の領域では,『予防の意識づけ』や『心の余裕』さらには『自分で決定』することの重要性が新たに述べられた。また,保健福祉サービスの活用の難しさも述べられた。“相互”の領域では,継続させることの重要性と『情報との交流』の大切さが述べられた。また,『家族の協力と理解』の困難さも語られた。“地域システム”の領域では,交通が不便であるためのポジティブな側面が語られた。また,在宅でより生活しやすくするために医療と福祉の連携を強化する必要性と防災や心のケアの重要性が述べられた。『健康に関する支援の充実』では幼児期からの健康教育とともに,介護している家族への支援の充実を望む声が多く聞かれた。
結論 「地域の絆」「地域の安全」「心の病」に関する関心が高まっていたのは,東日本大震災という未曽有の災害前後の比較であったためと考える。また,個人のペースの重要性が述べられていたのは,時代の変化によるものと考えられた。
キーワード コミュニティ・エンパワメント,フォーカス・グループ・インタビュー,住民の健康に対する考え方や工夫






