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論文記事:評価指標を用いた評価活動の成果と課題 201709-06 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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論文

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第64巻第11号 2017年9月

評価指標を用いた評価活動の成果と課題

-組織における実践知の形式知化の過程-
森本 典子(モリモト ノリコ) 平野 かよ子(ヒラノ カヨコ)

目的 著者らが開発した「保健師による保健活動の質を評価するための評価指標」を用いて保健師が保健活動の質を話し合い評価することにより,保健師個人あるいは保健師集団,さらに保健師が所属する組織にもたらす効用と課題を明らかにすることを目的とした。

方法 著者らが開発した評価指標を用いて保健活動を評価したことの効用と課題について,検証協力自治体および事業所の計60機関の保健師を対象に,質問紙調査を実施した。

結果 評価指標を用いて評価したことで「役に立った」あるいは「役立ちそうだ」と思われたことについての結果は,「よくあてはまる」「ややあてはまる」をあわせると,全項目で8割以上が「役に立った」あるいは「役立ちそうだ」と回答があった。この結果を経験年数別に比較すると,新人期保健師は,すべての項目が8割を占めていたが,中堅期保健師は,「部署,組織」「他部署,関係機関との連携」のカテゴリーの項目の回答が相対的に低い傾向がみられた。最も効用があったと回答された項目は,「1.活動を見直す機会となる」であった。保健活動の評価を継続することについての意向は,思う:97%,思わない:2%,その他:1%であり,「思う」の中には,“適切な人員体制がないと継続が難しい”という意見や“継続するためには業務に位置づけられることが課題である”という意見があった。

結論 実際に評価指標を用いて取り組んだことで,最も「役に立つ」として挙がった項目は,「活動を見直す機会となる」「保健活動の評価が共有できる」であり,個人および集団にとっての評価することの意義が示せた。また,それと同時に,「個人」の実践知が「組織」としての知とされる過程を示し,評価指標を用いて組織内で対話して評価することが,組織としての成熟を促し,この評価指標がその成長過程を見える化させることを明らかにした。組織内の合意を得て評価指標を用いて評価することの今後の課題は,第一に評価することの重要性を保健師自身が自覚し継続することである。また,組織で評価することに取り組みやすくするためには,より評価指標の簡便化を図ることと考える。

キーワード 保健師,評価指標,保健活動評価,組織,実践知・形式知