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論文記事:市町村における母子保健対策の取り組み状況:「健やか親子21」の推進状況に関する実態調査を用いた都道府県別観察 201712-01 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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第64巻第15号 2017年12月

市町村における母子保健対策の取り組み状況:「健やか親子21」
の推進状況に関する実態調査を用いた都道府県別観察

上原 里程(ウエハラ リテイ) 篠原 亮次(シノハラ リョウジ) 秋山 有佳(アキヤマ ユウカ)
市川 香織(イチカワ カオリ) 尾島 俊之(オジマ トシユキ) 松浦 賢長(マツウラ ケンチョウ)
山崎 嘉久(ヤマザキ ヨシヒサ) 山縣 然太朗(ヤマガタ ゼンタロウ)

目的 「すべての子どもが健やかに育つ社会」の実現に向け2015年度から実施されている「健やか親子21(第2次)」では,都道府県の役割として市町村等の関係者間の連携を強化することと県型保健所の役割として市町村に対して積極的に協力・支援することが明記されている。これらの役割を果たすためには,都道府県や保健所が市町村の母子保健に関する課題を認識することが重要である。市町村の母子保健対策の取り組み状況を知ることは課題把握に寄与すると考えられることから,本研究では母子保健対策に関する市町村の取り組み状況について都道府県別の観察を行った。

方法 2013年に実施された「『健やか親子21』の推進状況に関する実態調査」のうち,政令市および特別区を除く市町村(以下,市町村)を対象とした調査票に設定されている27項目の母子保健対策の取り組み状況を分析した。これらの項目に関して,2010年以降の取り組みの充実について市町村が回答した5つの選択肢(充実,ある程度充実,不変,縮小した,未実施)に未回答を加えた6区分の頻度を都道府県別に観察した。取り組み状況の選択肢のうち「充実」と「ある程度充実」を合わせた回答を本研究での「充実」と定義した。さらに,都道府県に対しても市町村と同様の調査が実施されていたため,市町村の取り組み状況と都道府県の取り組み状況との関連を検討した。

結果 27項目の母子保健対策のうち,「予防接種率の向上対策」「発達障害に関する対策」「乳幼児期のむし歯対策」「食育の推進」「児童虐待の発生予防対策」「産後うつ対策」は全国1,645市町村の50%以上が取り組みを充実させていた。各都道府県の管内市町村で取り組みを充実させた頻度の分布を観察すると,「予防接種率の向上対策」では100%の市町村が取り組みを充実させた都道府県もあれば取り組みを充実させた市町村が52%に留まっていた都道府県もあり,多くの項目で都道府県によって管内市町村の取り組み充実頻度の幅が大きかった。母子保健対策に関する市町村の取り組み状況と都道府県の取り組み状況の関連について,「発達障害に関する対策」「産後うつ対策」「妊娠中の喫煙防止対策」「母乳育児の推進」「思春期の心の健康対策」「十代の人工妊娠中絶防止対策」は取り組みを充実させた都道府県において,取り組みを充実させた管内市町村の頻度が有意に高かった。

結論 管内の市町村がどのような母子保健対策を充実させたかについては都道府県によって差異があった。また,母子保健対策の項目によっては市町村の取り組みの充実と都道府県の取り組みの充実が関連していたことから,都道府県が取り組みを充実させることで市町村の取り組み状況に影響を与える可能性が示唆された。

キーワード 健やか親子21(第2次),母子保健,連携,都道府県,市町村