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論文記事:地域包括ケアシステムの評価指標としての在宅期間 201712-02 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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論文

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第64巻第15号 2017年12月

地域包括ケアシステムの評価指標としての在宅期間

-8年間の全国介護レセプトデータによる検討-
植嶋 大晃(ウエシマ ヒロアキ) 高橋 秀人(タカハシ ヒデト) 野口 晴子(ノグチ ハルコ)
川村 顕(カワムラ アキラ) 松本 吉央(マツモト ヨシオ)
森山 葉子(モリヤマ ヨウコ) 田宮 菜奈子(タミヤ ナナコ)

目的 重度要介護高齢者の在宅日数は,地域別に算出することで地域包括ケアシステムの達成状況の評価指標となりうる。本研究の目的は,全国介護レセプトデータを用いて在宅日数を都道府県別に算出し,観察期間前後の打ち切り(以下,観察の打ち切り)を考慮して地域を比較する指標としての可能性を示すことである。

方法 厚生労働省の承認を受けて8年間の全国介護レセプトデータを用いた。対象者は65歳以上で要介護4または5の認定を受け,要支援または要介護認定を受けていた期間に介護保険サービスを利用した者とした。観察期間における在宅日数が0日の対象者を在宅ゼロ群,在宅日数が1日以上の対象者を在宅群とし,在宅ゼロ群の人数の割合(以下,在宅ゼロ者割合)および在宅群の在宅日数平均値(以下,平均在宅日数)を算出した。次に在宅群を,打ち切りなし群,開始時打ち切り群,終了時打ち切り群,両側打ち切り群に分類して在宅日数を算出し,各群の割合を都道府県別に算出した。また,在宅ゼロ者割合と,平均在宅日数を都道府県別に算出し,両者の相関係数および散布図を示した。さらに,特定施設入居者生活介護等のサービス利用期間も在宅で生活した期間とした在宅日数(以下,介護保険在宅日数)を算出し,在宅日数との比較を行った。

結果 対象地域は1,630市区町村(全市区町村の93.6%)で,対象者数は3,598,809人であった。在宅ゼロ者割合は37.8%,平均在宅日数は362.6日であった。打ち切りなし群,開始時打ち切り群,終了時打ち切り群,両側打ち切り群の人数(割合)はそれぞれ1,653,443人(45.9%),240,136人(6.7%),331,533人(9.2%),15,013人(0.4%),在宅日数平均値は247.8日,672.1日,610.6日,2570.9日であり,各群の人数の割合は都道府県により異なっていた。都道府県別の在宅ゼロ者割合の最大値と最小値は54.2%,30.3%で,平均在宅日数の最大値と最小値は475.5日,292.4日であった。在宅ゼロ者割合と平均在宅日数の相関係数は-0.55であった。在宅日数と介護保険在宅日数の差は,都道府県によって異なっていた。

結論 在宅ゼロ者割合および平均在宅日数は,「観察の打ち切り」の影響を考慮する必要があるものの,両者を組み合わせることにより,地域の指標として利用可能であると考えられた。

キーワード 高齢者,在宅介護,地域包括ケアシステム,全国介護レセプトデータ,在宅期間,地域指標