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論文記事:高槻市におけるゲートキーパー養成研修の効果について 201802-02 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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第65巻第2号 2018年2月

高槻市におけるゲートキーパー養成研修の効果について

田渕 紗也香(タブチ サヤカ) 谷本 芳美(タニモト ヨシミ) 加藤 美幸(カトウ ミユキ)
的場 輝世(マトバ カヨ) 木村 直也(キムラ ナオヤ)
森定 一稔(モリサダ カズトシ) 髙野 正子(タカノ マサコ)

目的 自殺対策における人材養成(ゲートキーパー養成)はわが国が掲げる重点施策の1つである。本研究では高槻市職員を対象として,ゲートキーパー養成研修の自殺対策の取り組みに対する効果について検討することを目的とした。

方法 市職員3,717人(正規職員2,687人,非常勤職員1,030人)を対象者に,無記名自記式アンケート調査を行い,回答が得られた2,653人のうち性別・年齢が不明な者を除いた2,633人を解析対象者とした。質問項目は仕事や職場での生活や,自殺対策の取り組みに関する項目とした。自殺対策の取り組みについてはゲートキーパー養成研修受講の有無との関連を,χ2検定を用いて比較検討した。

結果 仕事や職場での生活に関することについての相談相手は上司・同僚が1,132人(43.0%),家族・友人が1,249人(47.4%)と多かった。さらに,上司・同僚に相談した者の85.4%,家族・友人の86.5%が相談後にメンタルヘルスケア効果有りであった。ゲートキーパー養成研修受講者は403人(15.3%)であった。ゲートキーパー養成研修受講有りの方が93.1%と有意に高い割合で自殺対策の必要性を理解していた。またセルフケア実施の割合や,職場の上司・同僚・部下等,家族・友人等,市民,それぞれに対する周囲へのケアを実施している割合も受講有りの方が有意に高い割合を示した。

結論 高槻市職員における研究からゲートキーパー養成研修受講は自殺対策の取り組みに関連することが示された。とりわけ,市民対応時に自殺対策の取り組みを有意に高い割合で実施していることが明らかとなり,ゲートキーパー養成研修の意義が示された。しかし,本研究は,市職員対象に行ったものであり,本結果の外的妥当性については今後さらに検討が必要である。

キーワード 自殺対策,ゲートキーパー養成,研修,市職員,メンタルヘルスケア

 

 

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