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論文記事:生活保護受給者における健診受診関連要因 201805-03 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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論文

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第65巻第5号 2018年5月

生活保護受給者における健診受診関連要因

-基本属性調査を対象として-
齋藤 順子(サイトウ ジュンコ) 近藤 尚己(コンドウ ナオキ) 高木 大資(タカギ ダイスケ)

目的 生活保護受給者の特性に応じた健康管理支援をすすめるための基礎資料として,生活保護受給者の基本属性調査を用いて,健診受診の関連要因を明らかにすることを目的とした。

方法 A市の生活保護管理システムデータと健診データを結合したデータセットを用い,2015年3月1日~2016年3月31日の間に,A市にて生活保護を受給していた40歳以上75歳未満の者のうち,生活保護受給期間(以下,受給期間)が365日未満や入院・入所中の者(225人)などの除外基準に該当しない2,736人を対象とした。目的変数を健診受診の有無,説明変数を年齢,性別,世帯人数,世帯類型,障害・傷病の状況,受給期間,保護開始前の医療保険の種類としたロジスティック回帰分析を行い,オッズ比および95%信頼区間を算出した。受給期間は2016年4月1日時点における保護開始年月日からの日数とし,すでに保護を廃止・停止している者については廃止・停止年月日までの日数とし「1年以上5年未満」「5年以上10年未満」「10年以上15年未満」「15年以上」の4区分とした。

結果 対象者の平均年齢は59.5歳,世帯の受給期間は平均3,015日(約8年3カ月)であった。対象者全体の健診受診割合は8.2%で,男性に比べて女性の方が高かった(男:6.2%,女:9.9%)。ロジスティック回帰分析の結果,「女性」「障害あり(障害・傷病なしを基準)」が健診受診と正の関連を,「受給期間が10年以上(1年以上5年未満を基準)」「保護開始前の医療保険が未加入・その他(国民健康保険を基準)」が健診受診との負の関連を認めた。受給期間については,「1年以上5年未満」の者に比べて,「10年以上15年未満」の者は調整オッズ比が0.64(95%信頼区間:0.42-0.96),「15年以上」の者は調整オッズ比が0.57(95%信頼区間:0.35-0.91)であった。

結論 生活保護受給者において,保護開始前の医療保険が未加入であること,また受給期間が5年以上と長いほど,健診を受診しにくくなることが示唆された。これらの要因そのものに介入することは困難であるが,保護開始前の医療保険未加入者や受給期間が5年以上と長い受給者は,健診未受診のハイリスク群と捉え,受診勧奨を含めた健康管理支援を進めていくことが効果的である可能性がある。

キーワード 生活保護受給者,生活保護受給期間,健康診査受診,健康管理支援