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論文記事:都市部保健所におけるHIV抗体検査受検者の特性 201805-06 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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論文

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第65巻第5号 2018年5月

都市部保健所におけるHIV抗体検査受検者の特性

塩野 徳史(シオノ サトシ) 市川 誠一(イチカワ セイイチ)
金子 典代(カネコ ノリヨ) 佐々木 由理(ササキ ユリ)

目的 都市部保健所のHIV抗体検査受検者の特性を把握し,HIV陽性判明報告のある検査施設とHIV陽性判明報告のない検査施設の受検者特性の差異を明らかにすることを目的とした。

方法 東京都17施設,愛知県16施設,大阪府17施設の都市部保健所で実施されているHIV抗体検査受検者を対象に無記名自記式質問紙調査を,2012年1月から12月まで実施した。3都府県別に1年間にHIV陽性判明報告のあった施設の受検者となかった施設の受検者間で有意差のあった項目について,多変量解析を行った。統計的有意水準は5%とした。

結果 3都府県における調査協力施設のHIV抗体検査件数は,東京都6,023件,愛知県5,457件,大阪府8,031件であり,東京都4,086件(有効回収率67.8%),愛知県3,764件(同69.0%),大阪府4,848件(同60.4%)の有効回答を得た。調査の実施期間,実施施設におけるHIV陽性率は,東京都0.38%,愛知県0.31%,大阪府0.31%であった。東京都内保健所の受検者は,東京都在住82.4%,再受検者46.3%,MSM(Men who have sex with men)13.8%であった。愛知県内保健所の受検者は,愛知県在住91.8%,再受検者45.2%,MSM15.0%であった。大阪府内保健所の受検者は,大阪府在住88.9%,再受検者45.4%,MSM11.9%であった。多変量解析の結果, 各都府県で最も強く影響していたのは,東京都では,東京都以外の在住者(オッズ比(OR)1.84),MSMであること(OR1.70)であった。愛知県では,愛知県以外の在住者(OR10.65),MSMであること(OR2.02)であった。大阪府では,MSMであること(OR1.96),大阪府以外の在住者(OR1.61)であった。HIV陽性判明報告のあった施設の受検者におけるMSM割合は,東京都16.2%,愛知県16.2%,大阪府13.5%であった。

結論 HIV陽性判明報告のある都市部の保健所の受検者特性として,MSMであること,当該地域以外の在住者であることが明らかとなった。HIV抗体検査事業が,効果的にHIV感染の早期発見につながっていることを評価するために,1年間の受検者におけるMSM割合が15%以上であることが指標となりうる可能性と広域的に検査・支援体制を整備する必要性が示唆された。

キーワード HIV感染症,AIDS,保健所,HIV抗体検査