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論文記事:医療機関における多職種連携の状況を評価する尺度の開発 201808-04 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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論文

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第65巻第8号 2018年8月

医療機関における多職種連携の状況を
評価する尺度の開発

藤井 博之(フジイ ヒロユキ) 斉藤 雅茂(サイトウ マサシゲ)

目的 病院における多職種連携の状況と職場環境の関係をみるためのツールとして,職場における多職種連携状況の評価尺度を開発した。

方法 農村と都市の2病院の職員6職種20人への聞き取り調査で抽出した20の質問項目で質問紙(4件法)を作成し,A病院の全職員2,336人に配布し,1,325人(回収率56.7%)から回答を得た。探索的因子分析(最尤法,プロマックス回転)で因子的妥当性を確認した後に,確証的因子分析(完全情報最尤法)で因子モデルのデータへの適合度を確認し,尺度の内的整合性をCronbachのα係数で検討した。最後に基本属性のうち職種の経験年数の違いによる本尺度得点の相違について,一元配置分散分析を用いて確認した。

結果 探索的因子分析の結果,3因子モデル(累積寄与率58.2%)が抽出され,第1因子「患者中心の職場のまとまり」,第2因子「職員間の協働性」,第3因子「連携のための活動」と解釈した。因子間には強い相関関係を認めた(r=0.69以上),3因子は独立したものではないと確認された。確証的因子分析では3因子と2次因子「職場の多職種連携状況」をおく解釈モデルで,完全情報最尤法による解析を行い,データとの適合性が示された。Cronbachのα係数はいずれの因子でも十分に高い値を得た。基本属性のうち職種の経験年数による尺度得点は,第1〜3因子と全因子合計のすべてで有意な違いを認めた。

結論 探索的因子分析で抽出された3つの因子は,尺度を構成した質問項目の3カテゴリー(患者,職場,働き手)にほぼ対応していた。全項目が0.37以上の因子負荷量をもち,構成概念の妥当性は確保されていた。開発した評価尺度は,急性期から在宅ケアまで全職種を対象にし,職場の連携の全体的な状況を把握しようとした点で,先行する尺度と異なる。外的基準との比較を行うこと,連携状況と個人要因,環境要因との関係性の検証に活用すること,医療現場で使いやすいより項目数の少ない尺度を開発することが,今後の課題である。

キーワード 多職種連携,職場の多職種連携状況評価尺度,探索的因子分析,確証的因子分析,一元配置分散分析