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論文記事:自治体における3歳児検尿委託化後の二次検尿受検率の変化について 201809-06 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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第65巻第11号 2018年9月

自治体における3歳児検尿委託化後の
二次検尿受検率の変化について

東 健一(ヒガシ ケンイチ) 辻本 愛子(ツジモト アイコ) 齋藤 有香(サイトウ ユカ)
濱井 俊充(ハマイ トシミツ) 佐藤 眞理代(サトウ マリヨ) 

目的 横浜市では3歳児検尿の一次検尿および二次検尿を区福祉保健センターで実施していたが,平成25年度から一次検尿を検査機関に委託し,有所見者については書面での医療機関受診勧奨に方式が変更となった。このことが二次検尿の受検率にどのような影響を与えたかについて,質問票調査の結果を用いて明らかにすることを目的とした。

方法 平成25年度から28年度までの期間に横浜市A区で3歳児健診を受診し,尿検査を受けた者のうち,尿糖・尿蛋白・尿潜血のいずれかの項目が(±)~(2+)であり,紹介状を発行されていない50名に対し質問票を送付し回答を得た。結果については,まず年度ごとの尿検査有所見率について単純集計を行った。次に,委託化以前の二次検尿受検率として平成21~24年度の情報を入手し,委託化前後の二次検尿受検率の比較をχ2検定で行った。平成25~28年度に関してアウトカムは医療機関受診率であるが,二次検尿受検率の代替指標であると考えて比較を行った。

結果 質問票は44名(88.0%)から有効回答が得られた。3歳児検尿の結果を見たと回答した者が61.4%いる一方,「見なかった」「覚えていない」と回答した者も36.4%に上った。委託化以前においての陽性者数および二次検尿受検率が48.4~53.8%であるのに対し,委託化以後については「一次検尿結果を見て,その結果を受けて医療機関を受診した」者の割合は29.5%であり,差を少なく見積もった場合でも統計的有意差を認めた(p=0.026)。

結論 3歳児検尿における二次検尿受検率が委託化以後低下していることが推定された。その原因として,文面での勧奨の効果が不十分なことが考えられた。平成29(2017)年度から文字サイズ等の改善が行われたが,今後も受検率の増加が認められないようであれば,さらなる二次検尿受検勧奨方法の改善が必要と考えられる。

キーワード 3歳児検尿,委託化,二次検尿,受診勧奨