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論文記事:東京都内に保険証住所地がある在宅医療患者への都外医療機関による訪問診療 201811-01 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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論文

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第65巻第13号 2018年11月

東京都内に保険証住所地がある
在宅医療患者への都外医療機関による訪問診療

石崎 達郎(イシザキ タツロウ) 光武 誠吾(ミツタケ セイゴ) 寺本 千恵(テラモト チエ)
清水 沙友里(シミズ サユリ) 井藤 英喜(イトウ ヒデキ)

目的 東京都は人口密度が高く,交通網が発達していることから,隣県の医療機関が都内への訪問診療に参入している可能性が考えられる。東京都における在宅医療のあり方を検討する際には,都内の医療機関だけでなく,都外医療機関から訪問診療を受けている患者数と医療機関数の把握も必要であるが,その実態は明らかにされていない。そこで本研究は,東京都後期高齢者医療広域連合の被保険者である75歳以上の高齢者のうち,2014年8月に訪問診療を受けた患者を対象に,在宅医療提供医療機関の所在地を把握し,都外医療機関から訪問診療を受けた患者数とその特徴を分析することを目的とした。

方法 本研究で使用したデータは,東京都後期高齢者医療広域連合から提供された匿名化済み医科レセプトデータである。2014年8月に訪問診療を受けた75歳以上の在宅医療患者を分析対象とした。まず,二次保健医療圏別に在宅医療患者数を把握し,75歳以上の全被保険者数に占める在宅医療者の割合を,性,年齢階級別に集計した。次に,保険証住所地の二次保健医療圏別に,訪問診療提供医療機関の所在地を把握し,都外医療機関から訪問診療を受けた患者数を把握した。最後に,都外医療機関による訪問診療を受けた患者特性をχ2検定と多重ロジスティック回帰分析を用いて検討した。

結果 都内に保険証住所地がある75歳以上の在宅医療患者(2014年8月診療分)は71,312人(全被保険者の5.4%)で,うち11,085人(全在宅医療患者の15.5%)が都外医療機関から訪問診療を受けていた。都外医療機関の所在地は神奈川県,埼玉県,千葉県がほとんどであった。居住系施設等で訪問診療を受けた患者は,その27.1%が都外医療機関による訪問で,居住系施設等への同時訪問は都外医療機関による訪問診療提供と極めて強く関連していた(調整済みオッズ比18.0,P<0.001)。

結論 東京都における在宅医療の提供体制を検討する際,都外医療機関による在宅医療の提供を把握すると同時に,在宅医療患者の実際の居住地を都道府県や市区町村レベルで把握可能な仕組みを構築し,在宅医療の需要と提供医療機関数の過大評価を避ける必要がある。

キーワード 後期高齢者,在宅医療,訪問診療,居住系施設,住所地特例,東京都