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論文記事:男性の育児参加が次子の出生に与える影響 201812-02 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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論文

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第65巻第15号 2018年12月

男性の育児参加が次子の出生に与える影響

-三世代同居との交互作用の検討-
加藤 承彦(カトウ ツグヒコ) 福田 節也(フクダ セツヤ)

目的 長年に渡る少子化の結果,わが国はすでに人口減少のフェーズに入っている。政府は,希望出生率1.8を目標に出生率回復に向けて様々な案を掲げているが,それらの案の有効性については明らかになっていない。本研究では,大規模縦断調査を用いて男性の育児参加および三世代同居と出生行動との関連を検証した。

方法 本研究では,厚生労働省が実施している21世紀出生児縦断調査の2001年コホートを用いた。2001年に第一子が生まれた17,329世帯と同年に第二子が生まれた13,154世帯に分けて分析を行った。主な説明変数として,生まれた子どもが6カ月時点での男性の育児参加度(高・中・低の三群)と初回調査から第三回目調査までの三世代同居の有無(同居なし・父方の祖父母との同居・母方の祖父母との同居の三群)を用いた。被説明変数として,第一子もしくは第二子出生から6年の間に次子の出生があったかどうかを用いた。分析には,多変量ロジスティック回帰分析を用い,母親の年齢や学歴などを調整した。

結果 2001年に第一子が生まれた世帯の68%において,その後6年の間に第二子が生まれており,第二子が生まれた世帯のうち22%において第三子が生まれていた。第一子の世帯においては,男性の育児参加度を低群と比較した場合,中群と高群では次子出生のオッズ比が有意に高かった[中群の調整オッズ比=1.4]。第二子の世帯でも同様の傾向がみられた。三世代同居に関しては,次子の出生のオッズに対して第一子の世帯では正の影響がみられなかったが,第二子の世帯では,父方の祖父母との同居に正の影響がみられた[調整オッズ比=1.3]。また,第二子の世帯において,男性の育児参加度が低くかつ三世代同居していない群と比較した場合,男性の育児参加度が中群でかつ父方の祖父母と同居している群が第三子出生の確率が最も高かった[オッズ比=1.6]。

結論 男性の積極的な育児参加と次子出生に関しては第一子および第二子の世帯で正の影響がみられたが,三世代同居は,世帯の子どもの数などの状況によって影響が異なる可能性が示された。今後,有効な少子化対策の根拠となりうる知見を提供するためにさらに分析を進めていく必要がある。

キーワード 男性の育児参加,三世代同居,少子化,育児支援,21世紀出生児縦断調査