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論文記事:介護職員の介護実践に関する研究 201812-04 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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第65巻第15号 2018年12月

介護職員の介護実践に関する研究

-介護福祉士養成課程を卒業した介護福祉士の勤務年数による比較-
武田 啓子(タケダ ケイコ) 久世 淳子(クゼ ジュンコ) 藤原 秀子(フジワラ ヒデコ)
水谷 なおみ(ミズタニ ナオミ) 丹羽 啓子(ニワ ケイコ)
間瀬 敬子(マセ ケイコ) 高木 直美(タカギ ナオミ)

目的 本研究は介護福祉士養成課程を卒業した介護福祉士資格を所持する介護職員を対象に勤務年数による介護実践能力を明らかにすることを目的とする。

方法 A県内の実習施設として登録されている特別養護老人ホーム,介護老人保健施設および障害者支援施設の計35施設に勤務する介護職員を対象に自記式質問紙調査を行った。対象者554名のうち介護福祉士養成課程を卒業した介護福祉士130名を分析対象とした。調査項目は性別,年齢,所持資格,勤務先の種別,勤務年数,雇用形態,職位の有無,および介護実践23項目を設定した。勤務年数について,5年未満,5年以上10年未満,10年以上を3群とし,3群間の差を確認するために,連続変数では一元配置分散分析および多重比較(Bonferroni法)による分析を,離散変数にはχ2検定を用いて検討した。

結果 5年未満群は43名(33.1%),5年以上10年未満群は36名(27.7%),10年以上群は51名(39.2%)であった。介護実践23項目のうち,3群間で有意差が認められたのは「ケア提供者の中で中核的な役割を果たすことができる」など11項目(47.8%)であった。多重比較の結果では,「ケア提供者の中で中核的な役割を果たすことができる」について,3群間すべてに有意差が認められた。その他10項目について,5年未満群と5年以上10年未満群間では有意差はみられなかった。

結論 介護福祉士養成課程を卒業した介護職員の勤務年数5年未満群と5年以上10年未満群では有意差が認められたのは,1項目のみであった。介護福祉士養成課程を卒業することにより,勤務年数5年未満の介護職員も,介護実践力の基盤が育まれている状況を示した。勤務年数を経るごとに「ケア提供者の中で中核的な役割を果たすことができる」は向上し,勤務年数10年以上の介護職員は高い介護実践能力を示した。

キーワード 介護職員,介護実践,介護福祉士養成課程,介護福祉士,勤務年数

 

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